
慢性的な人手不足に悩まされ、「今すぐ人手不足を解消したい」というオーナーは少なくありません。資金力があれば給料を上げることで人を集めることができますが、資金的余裕のない中小零細企業ではなかなか難しいでしょう。
そこでこの記事では、人手不足になる要因と、6つの解決策をご紹介します。いずれも、給料を大幅に上げるといった「力技」に頼らない方法ですので、資金的に余裕のない中小零細企業でも実践できるものばかりです。
率直に申し上げて、一気に人手不足解決する魔法のような方法ではありません。しかし、着実に実践していくことで人手を確保しやすくなっていくでしょう。
人手不足になる2つの大きな要因
人手不足になる原因として、大きく以下の2つに分けられます。
「そんなこと言われなくても分かっているよ」と思われるかも知れません。しかし、それぞれの要因を具体的に細分化し分析していくと、本当の問題点が見えてきます。

募集しても人手が集まらないケース
- 同じような業種の求人が多い(競合が多い)
- 競合が待遇を良くしている
- 事業所周辺エリアの求職者が少ない(人口減)
- 人気のない職種である
- 求人広告が求職者の心に刺さらない
社内の要因で人手不足になるケース
- 採用してもすぐ辞めてしまう(定着率が悪い)
- 無駄な仕事が多い
- 業務が俗人化している(仕組化されていない)
- 自動化など業務の効率化が進んでいない
- 人材育成に時間がかかる
- 事業所が狭く、物理的に人を増やせない
現実には複数の要因が絡み合っていることもある
分かりやすくするため、募集要因と、社内要因に切り分けて考えてみました。しかし、実際には単純に切り分けられないこともあります。
例えば、「採用してもすぐ辞めてしまう」のは社内要因とは限りません。むしろ、以下のように募集時の問題ということもあります。
一方、待遇や職場環境はそのままでも、求人広告を改善することで職場と人材のミスマッチが減り、結果として定着率が向上する場合があります。
また、人材のミスマッチが減ると、職場に合わない人が居づらくなって辞めていき、結果的に人間関係が良くなることもります。
このように、募集と社内の要因が絡み合い人材不足を引きこしていることもあります。とはいえ、まずは要因ごとに取り組んでいくと良いでしょう。

募集改善①:求人広告の改善で定着率も高まる?
求人広告を出しても、応募どころか「問い合わせすら来ない」というのは中小零細によくある話しです。破格の待遇を提示して人を集めるのも難しいでしょう。
実は「いくら求人広告を出しても人手が集まらない」のは、求人広告の出し方が間違っているということがあります。この間違いを知り、求人広告を改善していくだけで自然と人が集まり、結果として定着率も改善する場合があります。
求人広告でよくある3つの間違い
多くの人が求人広告で、気づかずに3つの根本的な間違いをよくしています。
- 「とにかく誰でもいいから来てほしい」という求人広告を出す(誰でもいい=職場に合わない人が集まる)。
- 「働く時間は自由」など待遇を前面に出す(やる気のない人、楽したい人などが集まる)。
- 仕事や職場の情報が不十分・不正確 (敬遠される、イメージと実際の職場とにズレが生じる)。
求人広告を改善する3つのポイント
先に紹介した、求人広告でよくある3つの間違いを回避し、求人広告を改善するポイントは以下の3つになります。
- 「こんな人に来てほしい」という理想像を明確に打ち出す(「来てほしくない人」を打ち出しても良い)。
- どんな職場かをできるだけ詳しく正直に伝える(写真も活用する)。
- オーナーが「私はこんな人です」と自己開示する(どんな思いで仕事しているかなど)。
こうしたポイントを踏まえて求人広告を改善すると、無料の求人媒体でも人が集まりやすくなります。求人に多額の広告費をかける必要もありません。
尚、求人広告の改善方法について、詳しくは以下の記事を参照してください。

募集改善②:「多様化する働き方」に合わせた募集をする
昨今、柔軟な働き方を求める人が増えています。そこで、1日8時間働いてくれる正社員やパート・アルバイトの採用だけでなく、多様化する働き方に合わせた募集をするのも人手不足解消する解決策の一つです。
副業ワーカーの活用
近年、正社員の副業を解禁にする企業が増えています。そこで、副業を探している人にあえて的を絞るのも一つの方法です。なぜなら、副業ワーカーは以下のようなメリットがあるからです。
副業に特化したサイトで募集しても良いですし、一般の求人広告で「副業OK」、「副業歓迎」などと分かりやすく明記しておくと、副業を探している人の目に留まりやすいでしょう。
副業ワーカーの活用は有効な手段ですが注意も必要です。雇用契約による副業・兼業では、労働基準法第38条に基づいて本業と副業の労働時間を通算して管理する必要があります。法定労働時間を超える場合には、割増賃金の支払いが必要になるため、事前に運用ルールを整えておくと安心です。
短時間勤務のアルバイト・パートの活用
「1日8時間は無理だけど、もっと短い時間なら働ける」という人も少なくありません。特に学生や、主婦層に多いニーズです。こうした人たちを時短のアルバイトやパートとして積極採用してみましょう。
この場合、業務を細分化し「1日2時間でできる業務」などに切り出してみると採用しやすくなるでしょう。
リモートワークも積極的に取り入れよう
コロナ禍を期に日本でもリモートワークが広がりました。しかし、コロナ収束に伴い、リモートワークの縮小や廃止を進める企業も増えています。
企業ごとに理由は色々ありますが、在宅勤務だと目が届きにくく「仕事がなかなか進まないでは?」とか、「サボるのでは?」、「生産性が落ちる」などの懸念を抱くオーナーが少なくないようです。
しかし、リモートワークには以下にようなメリットがあります。
IT機器だけでなく、クラウドサービスも充実していますから、リモートワークを取り入れないのは正直もったいないです。
もちろん、全ての業務をリモート化するのは無理かもしれません。でも、よく探すと出社せずにできることは意外とあります。例えば、経理、一般事務、SNSやネット広告の運用、メール対応、取引先とのやり取りなどがあります。
リモートワーカーは、「ママワークス」など在宅ワークに特化したサイトで募集すると良いでしょう。
リモートワークを業務委託契約で進める場合は、契約書や運用ルールを整えておくと業務の進め方や責任の分担を共有しやすくなります。ただし、形式だけでなく実際の働き方も含めて整え、雇用とみなされないよう契約内容と運用の一致に気をつける必要があります。詳しくは、以下の公的な資料も確認なさってください。
自営型テレワークのための適切な実施のためのガイドライン(厚生労働省)
自営型(非雇用型)テレワーク の現状と課題(厚生労働省)

社内改善①:業務の棚卸し、見直しを行う
このセクション以降では、社内の改善によって業務効率を上げたり、離職率を下げたりする方法を取り上げます。まずは、業務の棚卸と見直しに注目しましょう。
全業務を書き出して「棚卸」をする
まず、日々の業務を全て一覧にします。紙に書き出しても良いですが、スプレッドシートなど電子的に記録した方が、後で整理や管理をする上で何かと便利でしょう。
また、単に一覧表にするだけでなく、全体の流れを把握できるようにした方が良いでしょう。例えば、大きなホワイトボードに書き出したメモを貼り、どのような流れで業務が行われているかを可視化します。あるいは、フローチャートを描けるアプリを使っても構いません。アプリにも色々ありますが、例えばGoogleドライブでは無料でフローチャートアプリを追加できます。
業務を書き出したら、以下の視点で見直しを行います。
- どのような経緯で生じた業務か?
- その業務は今でも本当に必要か?廃止できないか?
- 残すとしても自動化できないか?
- 自動化は無理でも効率アップはできないか?
- 他の方法で代替できないか?
「誰が何をやっているか?」も可視化する
社内でどんな業務が行われているかだけでなく、「誰が担当しているのか?」も把握し可視化しましょう。担当者も可視化すると、以下のようなメリットがあります。
- 業務の属人化を防ぐ。
- 急な欠勤でも業務を回せるようにする(誰が何をしているかを把握できないと、この対応が難しい)。
- 業務の引き継ぎがスムーズに行える。
- 仕事のできる人に業務が集中することを防ぐ(既に誰がどれだけの業務をしているか把握できるので)。
尚、1~3は業務のマニュアル化も必須です。
なぜ、業務の棚卸や、担当者の可視化が大事なのか?
多くの現場では、既存業務の継続・質向上が重視される傾向にあります。一方、業務の削減や効率化が後回しになるケースが少なくありません。もしかすると、既存業務に対して「無くすと不都合が生じるかも知れない」、「このまま継続した方が無難だ」と考えてしまうからかも知れません。しかし、過去には必要とされていた業務が、今でも必要であるとは限りません。
また、中には「とりあえずこうしよう」ということで始まった業務もあることでしょう。しかし、業務の棚卸を行っていないと、惰性で継続されてしまうこともあります。今となっては必要でもない業務が、実は何十年も継続されているということも十分にあります。
加えて、仕事のできる人に「とりあえずこれやって」と、色々な業務が集中することもよくあります。そして、担当者の見直しや変更などが一切行われず、仕事のできる人がそのまま担当として固定化されてしまいます。
こうしたことの積み重ねも人手不足にもつながります。また、現場を疲弊させ、離職率を高めることにもなりかねません。ですから、業務の棚卸や、担当者の可視化は結果として人手不足の解消につながっていきます。

社内改善②:地味だけど意外と大事なマニュアル作成
人手確保と一見関係なさそうに思えるかも知れませんが、マニュアル作成は人手不足対策の一つとしてとても有効です。
例えばマクドナルドは、徹底的なマニュアル化を行うことで品質やサービスの安定が図れただけでなく、業務の効率化や新人教育のスピードアップを実現し、出店を増やしていくことができました。
中小零細でもマニュアルを作成・活用することで、以下のようなメリットが生じるでしょう。
- 今ある人手を効率よく活用できる。
- 時短のパートやアルバイト、リモートワーカーの活用がしやすくなる。
- 働きやすい職場だと感じ離職率が減る。
マニュアルが無いとどうなるか?
「仕事は見て覚えるものだ」、「マニュアル人間が増えるだけ」、「マニュアルに頼った仕事はすべきではない」など、マニュアル化に対して良くないイメージや懸念を抱く人もいます。しかし、もしマニュアルが無かったとしたら、以下のような状態に陥りかねません。
もちろん、中にはマニュアル化しにくい業務もあるかも知れません。しかし、「マニュアル化して誰でも仕事できるようにする」という視点が欠けていると、いくら人手があっても業務が上手く回らなくなってしまいます。
逆にマニュアルが完備されていれば、新人でもマニュアルを見ながら業務を進められます。また、マニュアルを作成すると、「未経験者でもここの業務はできそうだ」などが見えてくるので、業務を上手く分散化させることができるでしょう。
マニュアルは「スマホで動画を撮る」からでもOK!
「マニュアルのメリットは分かるけど作る時間がない」と思われるかも知れません。確かに日々の業務に追われていると、時間的にも気力的にもマニュアルを作る余裕はないように思えるでしょう。
しかし、仕事の手順などを簡単にメモするだけならどうでしょうか? あるいは、スマホで実際の仕事の様子を動画撮影するのはどうですか?「それなら何とかできそうだ」ときっと思われるでしょう。
いきなり「マニュアル作成をする」と考えると気が重くなりますので、メモや動画撮影など簡単なことから始めてみましょう。
マニュアル作成・管理専属の人を雇っても良い
業務内容に関するメモや動画がある程度集まったら、その情報を基にマニュアルの作成や管理を専門に行う人を確保すると効率的です。
こうした業務はリモートでもできますから、業務委託でリモートワーカーを確保して任せても良いでしょう。
一度作ったら終わりではなく、マニュアルは常に改善し続ける
マニュアルは一度作ったらそこで終わりではありません。
こうしたこともあるので、マニュアルは常に改善を続ける必要があります。具体的には以下の手順で進めると良いでしょう。
- マニュアルのたたき台を作る
- たたき台を基に実際に作業する
- 作業者にフォードバックしてもらう
- フィードバックの内容をマニュアルに反映する
- 2~4を繰り返す
このサイクルを繰り返してマニュアルの完成度を徐々に高めていきましょう。
マニュアル作成に便利なツール
マニュアルは紙媒体よりも、電子的なものの方がよいでしょう。なぜなら、マニュアルの修正が生じた場合や、新規のマニュアルを作成した場合でも即座に共有できますし、スマホでも閲覧できるからです。
マニュアルを作成するツールとして、Wordを思い浮かべるかも知れません。紙に印刷することを考えるとWordは便利ですが、タブレットやスマホで見ること、複数の人が同時に閲覧することなどを考えると以下のツールの方が良いでしょう。
Googleドキュメントは無料でありながら、手軽にマニュアル作成や共有ができます。Wordに近い感覚で作成できますので、Wordに慣れている方にもお勧めです。
Notionはデータベースの作成も行えますので、マニュアルだけでなく、プロジェクト進行やタスク管理も同時にできます。無料でも大部分の機能が使えますので、まずは無料で試してみて、良さそうだと思ったら有料プランを契約すると良いでしょう。

社内改善③:ITツールを活用して省人化・自動化を進める
人手が不足を「省人化」や「自動化」で乗り切るというのも一つの方法です。実際、タブレットでお客さんが注文し、ロボットが配膳を行う飲食店も増えてきています。
さすがにロボットの導入までは無理でも、今は多彩なITツールがそろっています。そうしたツールを上手く活用することで、省人化や、部分的な自動化を進めていくことができるでしょう。
中小・個人事業向けのITツールの例
会計業務はクラウド型で
会計ソフトは「freee」などのクラウド型がお勧めです。以下のようなメリットがあります。
請求書の発行も自動化できる?
「freee」などの会計ソフトでも請求書の発行はできますが、毎月ほぼ同じ請求書を発行することが多いならば「Misoca」がお勧めです。なぜなら、Misocaは毎月自動で請求書を発行する機能があるからです。
また、Misocaから直接郵送手配もできるので、印刷し、封筒に入れて封をし、切手を貼るといった手間を省けます。郵送以外にも、Misocaからのメール送信や、PDFでダウンロードしてチャットで送るなども可能です。
勤怠・シフト管理もクラウド型が便利!
勤怠管理も「ジョブカン」などのクラウド型ソフトがお勧めです。以下のようなメリットがあります。
来店などの予約管理も自動化しよう
来店などの予約を、電話やメールで対応している店舗も少なくありません。しかし、こうした予約管理も「STORES予約」などの専用ツールで一元管理することで、電話やメールの対応を減らしていくことができるでしょう。
また、お客さんの側からしても、どの日時が空いているかなどが視覚的に分かるので、気軽に予約しやすいというメリットもあります。
社内連絡はメールよりもチャットがお勧め
社内での連絡や情報共有には、メールよりもチャットの方がお勧めです。なぜなら、メールは以下のようなデメリットがあるからです。
一方、チャットは経理、商品仕入れ、営業、総務などメッセージの内容ごとにチャンネル分けることで自然と整理されます。また、メッセージが届いた時間順に表示されるので、やり取りの内容を把握しやすいという利点もあります。
Slackは豊富な外部連携や、bot機能による自動化に強みがあります。一方、Chatworkは比較的シンプルなチャットツールです。導入コストや操作性、ITツールへの習熟度などに応じて、チャットツールを選びましょう。
アンケートは定番のこれ
社内や顧客へのアンケートをとる場合は、「Googleフォーム」を使うと良いでしょう。無料で使えるだけでなく、質問項目のカスタマイズがしやすいなど、幅広いアンケートに対応できます。
自由記述のアンケートの内容を効率よくまとめる方法
自由記述のアンケートを読んでどんな意見があるかを把握し、まとめることが必要になることもあります。しかし、アンケートの数が多くなるとかなり大変な作業です。
そこで、「ChatGPT」などの生成AIを活用しましょう。生成AIを使えば、アンケートの内容を短時間でまとめることができます。質問の仕方などもネットで検索するとたくさん情報が出てきますので、ぜひ調べて活用してみましょう。
生成AIを活用してアンケート集計を効率化する際は、個人情報や機密情報が含まれないようデータを加工する、あるいは入力データの学習をオフにするなどのセキュリティ対策を講じてください。
失敗しないITツールの導入方法
どんなに優れたITツールでも、メンバーが操作しにくい、実際に業務になじまないなど「合う・合わない」はどうしても生じてしまいます。
そこで、導入の際は以下のステップで進めていくと良いでしょう。
- なるべくシンプルに操作できるものを選ぶ。
- いきなり有料契約をせず、無料プランで試す。
- 業務に精通している一部のメンバーにテスト的に使用してもらう。
- テストで使用した感想をメンバーに聞いてみる。
- 導入の可否を判断する。
「変な使用ルール」が作られないように注意する
いくら優れたツールでも、非効率な使い方をしては意味がありません。ところが、非効率な使い方をするルールが社内で広まってしまうこともあります。
例えば、「Excelで関数を使用してはいけない」といったルールです。信じられないかも知れませんが、社内で声の大きい人がパソコン操作に慣れなていないと、こうした意味のないルールが勝手に作られてしまうこともあります。
こうしたルールは業務効率を低下させるだけでなく、仕事がそれなりにできる人が「こんな非効率な職場じゃやっていられない」と感じ離職することにつながりかねません。
ぜひ、変な使用ルールが作られないように注意しましょう。

社内改善④:個人の努力に解決策を求めない
離職を減らし定着率を上げるためには、個人の努力ではなく、組織や仕組みとして解決する体制が欠かせません。
ところが、課題や問題の解決、目標達成に対し「個人の努力」に解決策を求めるケースも少なくありません。例えば、何かをミスすると「もっと真面目にとやれ」とか、ノルマを達成できないと「気合が足りない」と叱責するなどが挙げられます。
もちろん、一人一人が向上心を持って努力することも大切です。しかし、個人の努力ではどうにもならないこともたくさんあります。むしろ、個人の努力には限界があるのが現実ですから、「気合と根性で何とか乗り切れ」は現実的な解決策ではありません。また、そのような職場は若い人たちから敬遠されてしまうでしょう。
Googleは「脱個人の努力」を常に考える
仮に、「来季の売上は今期の20%増」といった目標を立てたとします。一般的には、この目標を達成するために「営業を頑張る」など個人の努力に解決策を求めがちです。
一方、Googleは「今の10倍の成果を出すためにどうしたら良いのか?」を考えます。現状の1割増しや2割増しではなく「10倍の成果」ですから、個人の努力ではどう頑張っても達成できません。そこで必然的に、これまでとは違う発想が求められます。
そこで、Googleは「やらないこと」をまず決めます。「成果を出すためにはやることを増やす」と考える人もいますが、時間は有限ですから「やること」を無限に増やすことなどできません。だからこそGoogleは「やらないこと」を先に決めるわけです。もちろん、やっていたことを完全に廃止するということではなく、例えばシステムで自動化するなどを考えます。
他にも、以下のような発想をします。
もちろん、世界的企業であるGoogleのやっていることを、中小零細でそのまま真似するのは無理があるでしょう。しかし、Googleのような革新的な思考法を参考に、単なる「努力」ではなく「仕組みの再構築(自動化や廃止)」という視点を持つことが、リソースの限られた中小企業には不可欠です。

小さく始めて、「コツコツ改善」を続ける
経営者は「今すぐ人手不足を解決したい」と思っているかも知れません。確かに、即座に人手を増やせれば最高ですが、現実的にはそのような解決策はありません。そこで、優先すべきことや、できることから少しずつ始めてみましょう。
頭では「こうすれば良いはずだ」と思っても、実際にやってみると想像とは違う点が少なくありません。また、最初は思ったように成果が出ないこともあるでしょう。そこで、まずは小さく始めてコツコツと改善を進め、成果が出るようになったら規模を拡大していくと良いでしょう。

まとめ
- 求人広告の改善とミスマッチ防止:理想の人物像を明確にし、職場の実態を詳しく正直に伝えることで、採用後の定着率を高めることができます。
- 多様な働き方の受け入れ:副業ワーカーの活用やリモートワークの導入で、従来の募集では出会えなかった人材を確保していくことができます。
- 業務の可視化とマニュアル化:日々の業務を棚卸しし、動画なども活用してマニュアルを整えることで、教育の手間を省き、新人でも即戦力として活躍できる環境が作れます。
- IT活用と仕組みづくり:クラウドツールによる自動化や「やらないこと」を決める組織運営を進め、個人の努力や根性に頼りすぎない体制を築きましょう。
一気にすべてを解決しようと焦らず、今できることから一歩ずつ取り組んでいきましょう。コツコツと改善を重ねることで人手不足を解消し、スタッフ全員が笑顔でいきいきと働ける職場へと変えていくことができるでしょう。

FAQ:人手不足の解決策に関するよくある質問
Q1. 資金力のない中小企業でも、給料を上げずに人手不足を解消する解決策はありますか?
A. はい、給与アップという「力技」に頼らなくても改善は可能です。まずは求職者に「ここで働きたい」と思ってもらえるよう、求人広告で理想の人物像を明確にし、職場の実態を正直に伝えることから始めましょう。また、社内では業務の「棚卸し(現在の全ての仕事を書き出して整理すること)」を行い、不要な作業を廃止したり、ITツールを導入して自動化を進めたりするのも有効な解決策です。人手に頼りすぎず、今の人数で無理なく業務が回る仕組みを整えることが、結果として採用しやすさにも繋がります。
Q2. 採用してもすぐに辞めてしまうのですが、定着率を高めるための具体的な解決策は何でしょうか?
A. 新しい人が「働きやすい」と感じる環境を整えることが重要です。特に効果的なのが「マニュアルの作成」です。マニュアルがないと、新人はその都度誰かに聞く必要があり、教える側も自分の仕事が止まるため、双方が疲弊して離職を招く原因になります。まずはスマホで作業風景を動画撮影するといった簡単なことから始めてみましょう。また、個人の努力や根性に頼るのではなく、組織として「ミスが起きにくい仕組み」や「やらないこと」を決めることで、現場の負担を減らし、長く働ける職場を作ることができます。
Q3. 小規模な事業所でも、リモートワークや副業人材の活用は人手不足の解決策になりますか?
A. はい、非常に有効な手段です。事業所が狭くて物理的に人を増やせない場合や、近隣に求職者が少ない地域でも、リモートワーク(在宅勤務)なら全国から優秀な人材を募集できます。例えば、経理、SNS運用、メール対応などは、必ずしも出社しなくてもこなせる業務です。また、特定のスキルを持つ「副業ワーカー」は意欲が高く、即戦力になりやすいというメリットもあります。多様な働き方を認めることで、従来の募集方法では出会えなかった層へアプローチでき、深刻な人手不足を乗り越える助けとなります。
Q4. ITツールを導入したいのですが、失敗しないための進め方を教えてください。
A. いきなり高価なシステムを導入するのではなく、まずは「無料プラン」などで小さく試すのがコツです。導入の際は、現場の業務に精通しているメンバーにテスト利用してもらい、操作感や業務に馴染むかを確認しましょう。クラウド型の会計ソフトや勤怠管理ツール、社内チャット(Slackなど)は、専門知識がなくても使いやすく、業務の効率化を実感しやすいツールです。ただし、導入後に「関数を使ってはいけない」といった非効率な独自ルールが作られないよう注意し、ツール本来の利便性を活かせる環境を整えることが大切です。

