
家族に事業を手伝ってもらい、青色専従者として給与を支払っていたもの、以下のように状況が変化することがあります。
- 専従者給与をしばらく払っておらず、今後も払う予定はない。
- 個人事業は継続しつつ、青色専従者を解除したい(専従者をゼロにしたい)。
- 給与支払事務所も廃止し、給与支払報告書の提出など事務的な手間を減らしたい。
このような場合、どのように手続きしたら良いのでしょうか?
実は私も妻を青色専従者としていましたが、給与を支払わなくなったので上記の手続きをしたいと思いました。ところが稀なケースなのか、ネットを探してもなかなか欲しい情報が出てきません。
それでも色々調べた結果、ようやく手続きをすることができました。青色専従者を解除し、給与支払いに関する事務的な手間を無くすには、2種類の書類の作成と提出が必要です。この記事では、私がどのように手続きしたのか、どのように届出書を作成したのかなどをステップごとに解説します。
ステップ1:青色専従者を解除する
まず、青色専従者を解除しますが、具体的にどうしたら良いのでしょうか?
当初、別件の質問の流れで市役所に聞いてみたところ、「税務署に聞いてみてください」とのことでした。ちなみに、給与支払報告書などを毎年市役所に提出しているため、青色専従者を解除するのに市に届出等が必要か聞いたところ、税務署で手続きするだけで良いとのことでした。
所得税の手続きは税務署で完了しますが、お住まいの自治体(市区町村・都道府県)によっては別途、地方税に関する届出が必要な場合があります。詳細は各自治体の税務課へ確認してください。
さて、専従者の解除について税務署に電話したところ、「青色事業専従者給与に関する変更届出書を提出してください」と教えていただきました。
ここで私は「届出書を出せばいいんだ!」と分かっただけで満足し、どのように記入すれば良いのかを税務署に聞きませんでした。もう一度、電話して聞くのも面倒だったので、書き方についてはネットで調べることにしました。
青色事業専従者給与に関する変更届出書の書き方
私のケースに該当する「青色事業専従者給与に関する変更届出書」の書き方についてネットを色々探してみました。しかし、残念ながら断片的な情報しかなく、「もう一度税務署に聞いた方が早かったかも」と後悔しています。
それでもネットで調べた情報を総合して、以下のように記入しました。尚、下に示す記載例は私が提出した際の書き方を例にしたものです。書類の不備を防ぐためにも、提出前には税務署または税理士へ内容を確認することをお勧めします。
届出書はPDFとしてダウンロードできます。印刷して手書きしても良いですが、本届出書はAcrobat Readerで開くとテキストを入力できるようになっています。青く色が変わっている部分に入力(または項目を選択)できるので、手書きよりもPDFに直接入力した方が楽かも知れません。書き方を以下の通りです。
①「変更届出」を選択
届出書のタイトル部分に「届出」と「変更届出」とありますので、「変更届出」を選択します。

②送付先の税務署名と、提出日を入力
所管の税務署名と、届出書を提出する年月日を入力します。

③納税地を入力
私の場合、「住所地」を選択の上、自宅の住所と携帯の番号を入力しました。
④納税地以外に住所や事業所などがある場合
納税地以外に住所や事業所などがある場合は、「上記外の住所地・事業所等」に入力します。住所地と納税地が同じであれば、空欄でOKです。
⑤氏名、生年月日、職業を入力
事業主の氏名、生年月日、職業を入力します。また、屋号があれば入力します。
⑥専従者給与の変更を行った年月を入力
今回の場合、専従者を解除(取りやめ)を行った年月を入力します。

⑦「変更することにした」を選択
「定めた」と「変更することにした」のいずれかを選択します。今回の場合は「変更にすることにした」を選びます。
⑧「1 青色専従者給与」欄は空欄で
扱いは、今回の変更で、給与を支給する専従者がいなくなりますので、ので「1 青色専従者給与」欄は空欄としました。

⑨「3 変更理由」の欄に入力する
「3 変更理由」の欄に、今回変更をする理由を入力します。私の場合は「青色専従者給与の支給を廃止したため」と入力しました。

⑩届出書を印刷する
ここまで入力したら、届出書のPDFを印刷します。
ステップ2:給与支払事務所を廃止する
専従者給与の支給を取りやめる場合は、「給与支払事務所等の廃止届出書」も提出する必要があります。
届出書を出さないとどうなる?
仮に、この届出書を出しておかないとどうなるのでしょうか? こちらのサイトによると、「提出しておかないと、税務署は給与の支払いありと判断して、支払金額や源泉徴収税額の問い合わせをしてくる場合があります」と書かれています。
つまり届出書を出さないまま、「給与を支給していないから」と給与支払報告書などを提出しないでいると、税務署から問い合わせが入るかもしれないということです。
こうした税務署からの不要な問い合わせを防ぐだけでなく、事務負担を軽減するためにも、今後給与の支払い予定がない場合は速やかに提出することをお勧めします。
提出すると「事業を廃業した」とみなされないか?
「給与支払事務所等の廃止届出書」は、あくまでも「給与の支払いをしなくなりました」という届出書であって、事業自体の廃業とは関係ありません(ちなみに個人事業を廃業する場合、こちらの書類を提出する必要があります)。
とはいえ、「事務所等の廃止届出書」と書かれていると「本当に提出して大丈夫なの!?」と思ってしまうのは理解できます。私も当初は不安で何度も確認しました。なので、もう少し分かりやすくて誤解を招かないような名称に改善していただきたいものです。

給与支払事務所等の廃止届出書の書き方
さて、問題はどのように書いたら良いかです。これもネットを色々調べたところ、私の事例に一番近い方の記事を見つけることができました。この方は税務署に書き方を確認していますので、間違いなさそうです。
尚、「給与支払事務所等の廃止届出書」のPDFの場合、そのままではテキスト入力できません。印刷して手書きをするか、PDFを編集できるソフトを使う必要がありそうです。私はAcrobat Readerでテキストを追加して作成しましたが、大きさや位置合わせなどが少々面倒でした。
①タイトル部分の「廃止」に丸を付ける
届出書のタイトル部分に、開設、移転、廃止のいずれかに丸をつけます。今回は給与支払い事務所の廃止に相当しますので「廃止」に丸を付けます。

②提出日と、提出する税務署名を記入
所管の税務署名と、届出書を提出する年月日を入力します。
③「事業所開設者」の欄に記入
「事業所開設者」の欄にそれぞれ記入します。屋号があれば「氏名又は名称」に屋号を記入します。マイナンバーを記入する必要もありますので、マイナンバーの分かるものを用意しておきましょう。
④「開設・移転・廃止年月日」欄に記入
「開設・移転・廃止年月日」欄は「廃止」に丸をした上で、給与支払事務所を廃止する年月日を記入します。

⑤「届け出の内容及び理由」の欄にチェックを付ける
「届け出の内容及び理由」の欄は、自身の状況に最も近いものを選択します。ここが分かりにくいと感じるかも知れません。以下は私が記入した例になりますので、少しでも迷ったら税務署の窓口で確認するのが確実です。
私の場合、開設でも移転でもありませんので、「廃止」の行で「廃業又は清算結了」と「休業」のいずれかにチェックを入れます。事業そのものは継続すること、この書類はあくまでも給与支払い事務所に関する届出書であること、将来的に家族を再び専従者にして給与の支払いを再開するかもしれないといった点を考慮し「休業」にチェックしました。
⑥届出書を印刷する
ここまで記入したら、届出書のPDFを印刷します。
ステップ3:2つの届出書を税務署へ提出
作成した「給与支払事務所等の廃止届出書」と「給与支払事務所等の廃止届出書」を、税務署に提出します。郵送でも良いですし、休日に税務署のポストに投函しても構いません。
冒頭にも書きましたように、税務署から問い合わせや不受理などの通知等はないので、恐らく問題なく受理されたようです。このまま問題なければ、今後は所得税の納付書の送付、年末調整や給与支払報告書の作成・提出をせずに済むでしょう。
まとめ
- 青色専従者解除を行うための最初のステップとして、管轄の税務署へ「青色事業専従者給与に関する変更届出書」を提出しましょう。
- 併せて「給与支払事務所等の廃止届出書」を提出することで、年末調整や給与支払報告書の作成といった煩雑な事務負担をなくすことができます。
- 「給与支払事務所の廃止」の手続きはあくまで給与支払いの停止を意味するもので、個人事業そのものを廃業することにはならないため、安心して事業を継続できます。
- 適切に書類を提出しておくことで、税務署からの不要な問い合わせを防ぎ、精神的なゆとりを持って本業に専念できる環境が整います。
少し面倒に思われるかも知れませんが、たった2枚のA4の書類を提出するだけで今後の事務作業がぐっと楽になります。ぜひ早めに手続きを済ませて、より身軽な気持ちで事業に専念してくださいね。
尚、今回の記事で紹介した方法は、部分的に税務署に確認していますが、ネットで調べた情報や、調べた内容に基づき私が判断した内容になります。不明な点、不安な点があれば税務署に確認してください。

FAQ:青色専従者の解除に関するよくある質問
Q1. 家族を専従者から外したいのですが、どのような手続きが必要ですか?
A. 青色専従者解除を行うには、まず管轄の税務署へ「青色事業専従者給与に関する変更届出書」を提出する必要があります。これは、事前に登録していた家族(専従者)への給与支払いを停止し、専従者としての登録を取りやめるための手続きです。あわせて、自治体によっては地方税に関する個別の届け出が必要なケースもあるため、念のためお住まいの市区町村の税務課にも確認しておくとより確実です。この手続きを正しく行うことで、その後の税務上の処理を適切に管理できるようになります。なお、税務手続きのルールは変更されることがあるため、最新の情報については国税庁の公式サイトなどで必ず確認するようにしてください。
Q2. 事業は続けますが「給与支払事務所等の廃止届出書」を出しても大丈夫ですか?
A. はい、全く問題ありません。この届出書はあくまで「給与を支払う体制」を廃止するためのもので、個人事業そのものの廃業とは無関係です。専従者をゼロにして自分一人で事業を継続する場合でも、この書類を提出することで「今後は給与の支払いや源泉徴収が発生しません」という意思表示になります。これにより、年末調整や給与支払報告書の作成といった煩雑な事務作業の義務がなくなるため、事業を続けながら事務負担だけを大幅に軽減することが可能です。ただし、書類の名称に「廃止」という言葉が含まれていて不安に感じる方も多いため、具体的な記入内容に迷う場合は税務署の窓口で直接相談することをお勧めします。
Q3. 書類を出さずに、そのまま給与の支払いをやめてもいいのでしょうか?
A. 支払い自体を止めることはできますが、手続きをしないまま放置するのはおすすめできません。なぜなら、税務署側は「給与の支払いがあるはずだ」という認識を持ち続けるため、報告がないと支払金額や源泉徴収税額についての問い合わせが来る可能性もあるからです。あらかじめ青色専従者解除に伴う適切な手続きを行っておけば、こうした不要な確認連絡を防ぐことができ、精神的な負担もなくなります。後々の事務処理を楽にするためにも、「給与支払事務所等の廃止届出書」とセットで早めに提出を済ませてしまいましょう。詳細な運用ルールについては、所轄の税務署や税理士などの専門家へ確認しながら進めると安心です。

Q4. 提出する書類はどこで入手でき、どのように作成すればよいですか?
A. 必要な書類は、国税庁のホームページからPDF形式でダウンロードできます。最近のPDFファイルは、パソコン上で直接文字を入力して作成できるものも多いため、手書きよりも効率的に準備ができるでしょう。記入の際は、書類タイトルの「変更届出」や「廃止」を選択し、理由欄には「専従者給与の支給を廃止したため」などと具体的に記入します。手続きにはマイナンバーの記入も必要になるため、マイナンバーカードなどをあらかじめ手元に用意しておくとスムーズです。作成した書類は郵送や税務署のポスト投函でも提出可能ですが、制度の内容は年によって変わることもあるため、最新の公式情報をチェックした上で作成するようにしてください。


