
Chromebookは他のパソコンよりも比較的安く売られているので、「ChromebookでMicrosoft Officeは使えるの?」、「WordやExcelはインストールできるの?」といった疑問を持つ方も少なくありません。
結論から言いますと、ChromebokでもOfficeは使えます。しかし、ChromebookはWindowsやMacとは異なるパソコンのため、Officeを使うには「ひと工夫」が必要です。
そこでこの記事では、まずChromebookでOfficeを使う方法(代替手段)を解説します。その上で、各代替手段のメリット・デメリットもご紹介します。この記事を読めば、以下の点を判断できるでしょう。
- 自分のChromebookの使い方に合っている代替手段はどれか?
- Officeの使用を前提にChromebookを買っても良い人。
- Chromebookよりも、WindowsやMacでOfficeを使った方が良い人。
尚、この記事ではMicrosoft Officeを「Office」と略して表記しています。
ChromebookはWindows/Macと勝手が違う!
Chromebookに「デスクトップ版Office」はインストールできません
WindoesやMacでは、Office(デスクトップ版Office)をインストールして使うことが多いでしょう。
しかしChromebookは、Windows・MacのようにOfficeは使えません。なぜなら、Chromebookは「Chrome OS」という独自のOSを使っており、以下の制約があるからです。
そのため、ChromebookでOfficeを使うには「ひと工夫」が必要になってきます。尚、Chrome OSの基本的な概念を知りたい方は、以下の記事も参照してください。
ChromebookでOfficeを使う方法は6つ
ChromebookでOfficeを使うには、6つの方法があります。次のセクション以降で、難易度の低いものから順にご紹介します。
方法①: Microsoft 365(Web版)を使う
ChromebookでOfficeを使う場合、最も手軽なのはWeb版のOfficeです。
結論から言うと、安定したネット接続が確保でき、印刷を行わず、高度な機能も使わないのであれば、最も手軽で確実にOfficeを使用できる方法と言えるでしょう。
WEB版Officeのメリット・デメリット
メリット
デメリット
方法②: Androidアプリ版Officeを使う(非推奨)
ChromebookにはAndroidアプリがインストールできます(※機種によってはインストール不可)。
ただし、Android版アプリの使用はデメリットが多いだけでなく、2021年にMicrosoftが非推奨(Microsftのサポート対象外)とアナウンスしています。リスクをとってまで使うメリットも見当たらず、決してお勧めできる方法ではありません。
Android版Officeのメリット・デメリット
メリット
デメリット
方法③:Google Workspaceで代替する
Googleが提供している「Google Workspace」には、Google ドキュメント、スプレッドシートなどのアプリがあります。これらをOfficeの代わりに使うこともできます。
Googleが開発しているアプリですから、Chromebookと相性は抜群です。しかし、Officeを完全に代替することはできません。そこで、普段は主にGoogle Workspaceを使い(ファイルもGoogleの形式で保存する)、どうしても必要なときだけ別の手段でOfficeを使うなどの工夫が必要になるでしょう。
Google Workspaceの代替アプリ
| Officeのアプリ | Google Workspace代替アプリ |
| Word | Googleドキュメント |
| Excel | Googleスプレッドシート |
| Power Point | Googleスライド |
| Outlook | Gmail |
Google WorkspaceでOfficeを代替するメリット/デメリット
メリット
デメリット
方法④:「クラウドWindows」を使う
「クラウドWindowsって何?」と思われるかも知れません。簡単に言えば「クラウド上にある仮想のWindowsパソコン」です。この仮想パソコンに、インターネット経由でアクセスできるサービスです。
代表的なものとして、Windows 365があります。ログインすると、ブラウザ上にWindows 10または11の画面が表示されるので、Chromebook上でWindwsを操作しているかのようになります。このクラウド上のWindowsに、デスクトップ版Officeをインストールして使用します。
次に紹介する「リモートデスクトップ機能」よりも便利な面はありますが、個人利用でも月額料金が高いため決してコスパの良い方法とは言えません。余程の理由がない限り、中古のWindwsパソコンを買った方が良いかも知れません。
クラウドWindowsでOfficeを使うメリット/デメリット
メリット
デメリット
方法⑤: リモートデスクトップでWindows/Macパソコンを使う
Chromeブラウザには「リモートデスクトップ機能」があります。これは、ネット経由で親機となるパソコンを操作できる機能です。例えば出先でChromebookから、自宅や会社の親機(Windows・Macのパソコン)に接続してOfficeを使用できます。
尚、親機にもChromeブラウザをインストールしておく必要があります。また、別途リモートデスクトップの設定が必要ですので、中級者以上向けの方法になるでしょう。
感覚的には「クラウドWindows」と似ていますが、既にあるWindows・Macがそのまま使え、追加費用なしでOfficeのフル機能も使えます。初期設定が少々手間ですが、かなりコスパの良い方法と言えるでしょう。
リモートデスクトップでOfficeを使うメリット/デメリット
メリット
デメリット
方法⑥:Linuxアプリで代替する
Chromebookでは「Linux」というOSのアプリもインストールできます(Chrome OSはLinuxをベースとしている)。Linuxアプリは種類が豊富で、無料で使えるものも少なくありません。
しかし、導入にはコマンドプロンプトを使用した設定も必要になるため、中級者以上向けの方法になるでしょう。それでも、無料アプリが多いため追加費用がかからないだけでなく、完全オフラインでも使用できるのが他の方法にはない大きなメリットです。
尚、ある程度スペックに余裕があるChromebookが良いでしょう。
Wordの代替アプリの例
| アプリ名 | 有料・無料 | 特徴など |
| LibreOffice Writer | 無料 | Wordに最も近いオープンソースソフト。docx形式の読み書きも対応。 |
| OnlyOffice | 無料 | Officeとの互換性が非常に高く、インターフェースもOfficeに近い。 |
| AbiWord | 無料 | 軽量だが、開発は停滞気味で機能は限定的。 |
Excelの代替アプリ
| アプリ名 | 有料・無料 | 特徴など |
| LibreOffice Calc | 無料 | Excelの主要機能に対応しているが、マクロは制限あり。xlsx形式にも対応。 |
| OnlyOffice Spreadsheet | 無料 | Excelに近い操作性で、互換性も高い。 |
| Gnumeric | 無料 | 数値処理に特化。軽量で速いが、インターフェイスがやや古い。 |
PowerPointの代替アプリ
| アプリ名 | 有料・無料 | 特徴など |
| LibreOffice Impress | 無料 | PowerPointに近い。アニメーション・テンプレも充実。 |
| OnlyOffice Presentation | 無料 | モダンでPowerPoint互換性が高い。 |
| Calligra Stage | 無料 | ややクセはあるが、基本機能に問題はない。 |
Outlookの代替アプリ
| アプリ名 | 有料・無料 | 特徴など |
| Thunderbird | 無料 | Mozilla製の定番メールソフト。カレンダーやアドオンも豊富。 |
| Evolution | 無料 | Outlookに近いインターフェイス。メール、カレンダー、連絡先の統合管理が可能。 |
| Mailspring | 無料(Pro版は有料) | GmailやIMAP連携にも強い。 |
LinuxアプリでOfficeを代替するメリット/デメリット
メリット
デメリット
あなたのChromebookの使い方に合っている代替手段はどれ?
ChromebookでOfficeを使う方法を6つご紹介しましたが、どの方法にも一長一短があります。
そこでこのセクションでは、様々な利用シーンを想定し、それぞれに合った使用方法をご紹介します。あなたに合っている方法を見つけましょう。
尚、「Android版Officeの使用」は非推奨なため除外しています。
| 利用シーン | おすすめの代替方法 |
| Officeは個人利用のみ(業務では使わない) | ・Microsoft 365(Web版) ・Google Workspace ・Linuxアプリ |
| 完全オフラインでも使いたい | ・Linuxアプリ |
| 低スペックのChromebookで作業する | ・Microsoft 365(Web版) ・Google Workspace ・リモートデスクトップ ・クラウドWindows |
| Officeは主にWindows・Macパソコンで使用(Chromeboookでは出先などで補助的に使う程度) | ・Microsoft 365(Web版) ・リモートデスクトップ ・Linuxアプリ |
| ChromebookでもOfficeの機能をフルに使いたい | ・リモートデスクトップ ・クラウドWindows |
| Chromebook単体で作業を完結させたい | ・Microsoft 365(Web版) ・Linuxアプリ ・Google Workspace |
| 余計なコストはかけたくない | ・リモートデスクトップ(Officeインストール済みのWindows/Macパソコンが既にある場合) ・Microsoft 365(Web版)の無料版 ・無料のLinuxアプリ ・Google Workspace |
| WordやExcelのファイルを印刷したい | ・いずれかの手段でChromebookで作成後、WindowsかMacのパソコンから印刷する(Chormebookからの印刷は非推奨) |
こんなOfficeの使い方なら、Chromebookを買ってもOK!
ここまでで、ChoromebookでOfficeを使う方法を色々と検証しました。現状では、Officeの機能をフルに使うにはWindows・Macでデスクトップ版を使うしかありません。しかし、誰もがフル機能を必要としているわけでもなく、軽作業のみという方も少なくないでしょう。そこで、Chromebookでも十分な使い方(作業レベル)を以下にご紹介します。
| Officeの使い方・作業レベル | 補足 |
| Word/Excel/PowerPointの基本的な文書作成や編集 | レポート、会議資料、見積書などの軽作業レベルであればChromebookで十分作成可能。 |
| 低コストで始めたい個人・小規模事業者 | 安価なChromebookでも、Microsoft 365(Web版)の無料プランでそれなりの業務はこなせる。 |
| Chromebookを外出用、軽作業用のサブ機として使う | Chromebookは起動が早いので、移動中の作業や確認に向いている。 |
| Microsoft 365の有料プランで、Web版を使う | よほど高度な作業でない限り、Web版で十分使える。 |
Chromebookよりも、Windows・Macを買った方が良いケース
ChromebookでもそれなりにOfficeを使えますが、どうしても限界があります。以下は、最初からWindows・Macを選んだ方が良いケースをご紹介します。
| Officeの使い方・作業レベル | 補足 |
| VBAマクロや複雑なExcel関数を使う | Web版Office、Linuxアプリでは非対応の場合あり。互換性にも難がある。 |
| 詳細なレイアウト、段組、差し込み印刷などが必要なWord業務 | Web版Officeでは、細かい印刷設定が不安定になることがある。 |
| PowerPointで高度なアニメーションや音声付きプレゼンを作成したい | Web版Officeでは限界がある。 |
| 官公庁・大企業との書類のやりとりが多い | Officeファイルの完全互換や、フォーマット崩れのリスクを避けるためにも、デスクトップ版Officeの使用を強く推奨。 |
| Access、PublisherなどのOffice製品を使いたい | Web版Officeにも無いため、Chromebookではこれらのソフトは使用不可。 |
| オフライン環境でもしっかり作業したい | Chromebookはでもある程度のオフライン作業は可能だが、Windows・Macの方が安定しており、機能も豊富。 |
| ドキュメントを印刷する | Chromebookでも印刷はできるが、レイアウトやフォントのズレ、印刷設定の自由度が低い。Windows・Macの方が印刷に向いている。 |
Chromebook購入は慎重に
率直に申して、Chromebookは人によって向き・不向きがはっきり分かれるパソコンです。WindowsやMacでできることでも、Chromebookではできないこともあります。Chromebookよりも、中古のWindowsを買った方がコスパが良いということもあるでしょう。いずれにしても、慎重に検討してからChromebook購入を判断してください。
尚、以下の記事では、どんな人にChromebookが向いているかもご紹介しています。ぜひお読みください。
まとめ
- Chromebookは、Windows・MacのようにOfficeをインストールして使うことはできません。
- ChromebookでOfficeを使うには、6つの方法(代替手段)があります。それぞれに一長一短があります。
- 6つの代替手段のうち、Andorid版Officeの使用はサポート対象外であるため推奨できません。
- Chromebookの利用シーンによって、どの代替手段が合っているか変わってきます。
- Chromebookでも軽作業なら十分こなせますが、最初からWindows/Macを選んだ方が良いケースもあります。Chromebookの購入は慎重に検討しましょう。
ひと口に「ChromebookでOfficeを使う」と言っても、色々な方法があります。また、使用目的などによってどの手段が合っているか、そもそもChromebookを選ばない方が良いのかなども変わってきます。Officeをよく使うのであれば、情報をよく調べ、慎重に検討してからChromebookを購入を判断しましょう。


