
- 「確定申告って難しそうだな」
- 「書類が多くて面倒そう」
- 「簿記を習ったことがない」
特に初めて確定申告をする方は、上記のような不安を感じておられるかも知れません。
でも、ご安心ください。今は、スマホやパソコンで簡単に作成や申告ができるツールがあります。難しい計算も自動的に行ってくれるので、簿記を知らない初心者でも比較的簡単に作成できます。そこで、この記事では、確定申告をできるだけ簡単に済ませる3つの方法と、それぞれのメリットや注意点を分かりやすく紹介します。
私自身、青色申告業者として毎年確定申告をしています。青色申告業者ですと、確定申告には通常6時間~数日かかるとされていますが、私は2時間か3時間で完了させています。ここまで時間を短縮できるのは「ちょっとしたコツ」があるからです。そこで、確定申告作成の時間を短縮するためのコツについても併せてご紹介していきます。
確定申告を簡単にする3つの方法
会計や簿記の知識が無くても、確定申告は簡単に作成できます。以下に、その方法を3つご紹介します。
| 方法 | 特徴 | 難易度 | 短所 | 向いている人 |
| スマホ申告(e-Tax) | 国税庁の公式ツール。マイナンバーカード連携で完結。 | 低~中 | 完全無料だが、初回登録に少し手間がかかる。 | 副業・給与以外の収入が少ない人 |
| クラウド会計ソフト | 自動計算や、明細読取などで効率化を図れる。 | 中~高 | 年会費がかかることがある。記帳のルールなどをある程度理解しておく必要がある。 | フリーランス・個人事業主 |
| 税理士に依頼 | プロがすべて対応。 | 低 | 売上、依頼内容によっては報酬が高額になることも。 | 収入・経費が多い人 |
特に素人にとってハードルが高いのが、法律の改正で計算方法や記入する内容などが変わることです。しかし、上記の方法であれば、改正内容にも対応してくれるので安心です。ただし、それぞれの方法にメリット・デメリットがありますので、自分の状況に合った方法を選びましょう。
次のセクション以降で、それぞれの作成方法の特徴、注意点などを解説していきます。
簡単な方法①:e-Taxとマイナポータルを使ったスマホ確定申告
国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を使えば、スマホだけで申告が可能です。マイナンバーカードとスマホを連携させることで、本人確認から申告所の提出までオンラインで完結できますから税務署に行く必要もありません。
収入は給与所得がのみで、医療費控除やふるさと納税などの寄附金控除のみを適用する場合など、申告内容がシンプルな方にお勧めです。
確定申告の手順
- 「確定申告書等作成コーナー」にアクセス
- 「スマホで申告する」を選択
- マイナポータルと連携(マイナンバーカードでログイン)
- 必要な情報(収入・経費・控除など)を入力
- マイナンバーカードで電子署名
- e-Taxで申告データを送信
- PDFの控えを保存
メリット
注意点
簡単な方法②:クラウド会計ソフトを使う
多くの個人事業主が使っているのが「クラウド会計ソフト」です。 複雑な計算も自動的に計算でき、各年の法律の改正などにもしっかり対応してくれるので、入力さえしてしまえば確定申告や決算書が作成できます。
以下に、代表的なソフトを3つご紹介します。尚、月額費用はこの記事を執筆している2025年11月時点のものですので、最新の料金を公式サイトで確認なさってください。また、ソフトによっては「年払いのみ」となっているものもあります。
| ソフト名 | 特徴 | 月額目安 |
| freee会計 | 初心者でも直感的に操作できる | 980円〜 |
| マネーフォワードクラウド | 銀行・カード連携がスムーズ | 900円〜 |
| やよいの青色申告オンライン | サポートが充実(プランによる) | 858円〜 |
メリット
注意点
とはいえ、慣れてしまえば翌年以降は圧倒的にラクになります。 確定申告のたびに悩む人ほど、早めに導入しておくことをお勧めします。
簡単な方法③:税理士に依頼する
このような方は、税理士に任せるのが最も簡単で確実です。
メリット
注意点
税理士に依頼するとどうしても費用がかかってしまいますが、「入力だけクラウド会計を使って自分で行い、申告は税理士に依頼」といった方法で節約している人もいます。少しでも費用を減らしたい人は、選択肢の一つとして検討してみましょう。
尚、契約前に複数の税理士から見積りを取り、料金やどこまでのサービスが含まれるか確認することをお勧めします。
確定申告を始める前に確認しておきたいチェックポイント
確定申告をする場合は、以下の点を事前にチェックしておきましょう。特に、必要な書類がそろっているか確認しておきましょう。
尚、期限ギリギリになるとアクセスが集中するなどで申告がスムーズにできないことがあります。2月中に準備を始め、早めに申告を終わらせるようにしておきましょう。
| チェック項目 | 内容 |
| 申告が必要か確認 | 副業や雑所得などで20万円を超えていれば申告が必要 |
| 必要書類の準備 | 源泉徴収票(給与所得がある場合)、領収書、マイナンバーカード、各種保険料の控除を証明する書類 |
| 提出期限を把握 | 通常は3月15日まで(翌営業日が平日なら繰り下げ)。 |
| 還付申告の期限 | 5年間有効。早めに出すと還付も早い |
確定申告のスピードを大幅に上げる4つのコツ
人によって確定申告にかかる時間は様々ですが、例えば青色申告業者の場合、通常6時間~数日かかることがあります。私も青色申告業者ですが、毎年2時間か3時間で完了させています。
なぜ、ここまで短時間でできるのかというと「ちょっとしたコツ」があるからです。そのコツを4つご紹介します。
①:医療明細書は毎年1月に整理・集計する
病院や薬局などからもらった領収書がゴチャゴチャしていると、「医療費控除の明細書」の作成(入力)に時間がかかってしまいます。そこで、毎年1月になったら以下のように整理・集計しておくことで「医療費控除の明細書」の作成をスムーズに行えます。
- 昨年分の領収書を医療機関ごとに分ける。
- ①を支払名義人ごとに分けホッチキスなどでまとめる。
- ②の各合計金額をあらかじめ計算し、それぞれの合計額をメモなどにまとめておく。
②:記帳は日頃からマメにする
クラウド会計ソフトには、銀行やクレジットの明細を自動で取り込む機能があります。それでも、1年分まとめて取り込もうとするとそれなりに手間がかかります。また、明細をしっかり整理して保管していない場合、明細をそろえたり探したりするのにも時間がかかってしまいます。そこで、明細は日頃から入力すると、結果として確定申告シーズンに入って慌てずに済みます。
ちなみに、私は明細取り込み機能を使わず手入力しています。その理由は、以下の通りです。
- 明細の件数がそこまで多くない
- 日頃から大まかな売上や経費の額を把握しておくため
- 領収書をその都度ダウンロードしておくため
3について補足すると、私はクレジットカードでネット上で支払う経費も、必ず領収書をダウンロードするようにしています。なぜなら、クレジット明細だけでは「経費の証明にならない」と税務署から言われかねないからです。しかも、領収書によっては数カ月たつとダウンロードできなくなるものもあります。こうした理由から、その都度ダウロードするようにしています。
③:無理に個人と事業のお金を分けない
個人事業主の場合、個人の銀行口座やクレジットカードを事業に使っていることも少なくないでしょう。
ところが、個人事業主向けの本や、青色申告会のセミナーなどでは「個人のお金と、事業のお金はしっかり分けましょう」と言われます。そのため、個人の口座やカードで払っていても、無理に個人と事業に分けて記帳している人が少なくありません(大抵、後で訳が分からなくなるものです)。
実は、「個人と事業のお金は絶対分けなければならない」と法律で定められてはいません。むしろ、記帳や確定申告では「実際のお金の流れ(実態)に合わせること」が求められます。つまり、売上が個人口座に入金される、また個人のクレジットカードや現金で経費を支払っているのであれば、その通り記帳・申告すれば良いのです。これだけで、かなり負担を減らせます。
この点に関して、更に詳しい情報や、実際の記帳の方法などは以下の記事を参照してください。
④:帳簿印刷はなるべく効率的に済ませる
青色申告事業者、および一部の白色申告業者は帳簿を5~7年間保存しなければなりません。また特定の条件を満たしていない限り、帳簿は印刷保管が必須です。
この帳簿の印刷に意外と時間がかかります。帳簿の種類や量にもよりますが、30分ほどかかることもあるでしょう。そこで、帳簿を印刷している間に他の作業を行うなど、事前に段取りを考えておくとスムーズに作業できます。
まとめ
- 副業や、給与収入以外の収入が少ない方は、e-Taxを使ったスマホ申告が最も簡単な方法です。
- 個人事業主なら、複雑な計算も自動で処理してくれるクラウド会計ソフトがお勧めです。
- 時間的余裕がない、事業規模が大きいなら税理士にお任せしましょう。
- 申告期間に慌てないよう日頃からマメに記帳することが、結果的に確定申告の時間短縮になります。
- 個人の口座やカードを事業に使っている場合は、無理に個人と事業に分けず実際のお金の流れに合わせて記帳すればOKです。
- 医療費控除の明細の整理・集計を毎年1月に行う、必要な書類を事前に揃えておくと結果的に楽に作成できます。
確定申告を簡単に作成・提出する方法を3つご紹介しましたが、それぞれにメリットとデメリットがありますので、自分に合った方法を選びましょう。また、できるだけ簡単・スムーズに作成するためには、確定申告シーズン前から備えておくこともポイントです。ぜひ、面倒がらずに実践してみましょう。

