
大抵の場合、Googleに広告を出す本当の目的はクリックの獲得ではなく、コンバージョンの獲得(=集客)です。しかも、なるべく低コストで集客できることも目指しているでしょう。
ところが、Googleに広告を運用していて、以下のような状態から抜け出せないことも少なくありません。
実は私もGoogle広告での集客をしたところ、集客コストが高く採算が悪いという状態が続いていました。しかし、広告文の作り方を最初から見直した結果、集客コストを下げることに成功しました。
そこでこの記事では、私が低コストで集客できたGoogle広告の広告文の作り方をご紹介します。リスティング広告を中心に解説しますが、ここで紹介する方法や基本的な考え方やプロセスは、リスティング以外のGoogle広告や、Google以外の広告媒体でも応用が利くものばかりです。
この記事して紹介している内容を一つずつ実践していけば、低コストで集客できるような広告文を作れるようになるだけでなく、広告文作成がよりラクになるでしょう。
「思い付き」で広告文を作成していませんか?
広告文を「思いつくままに書いている」としたら、なかなか成果を出すことはできないでしょう。
実は私自身も、思い付きで広告文を作成していたことがありました。それなりにクリックはされたものの、コンバージョンがなかなか獲得できず悩んでいました。
当初は「ランディングページ(LP)が悪いのかも?」と思い、LPを何度も修正しました。LP修正を繰り返すうちに段々とコンバージョンも取れていきましたが、集客コストはあまり下がりません。
最終的に「思い付きで作った広告文が良くないのでは?」と考え、広告文の作成プロセスから見直しました。その上で広告を作り直したところ、以下のような大幅な改善効果が見られました。
| 改善前の広告 | 改善後の広告 | |
| 広告費 | ¥11,735 | ¥26,551 |
| クリック率(CTR) | 11.63% | 12.01% |
| ①メルマガ登録 | 1件 | 4件 |
| ②LINE登録 | 2件 | 10件 |
| ③メール問い合せ | 1件 | 2件 |
| ④電話問い合せ | 1件 | 2件 |
| ①~④の合計CPA | ¥2,347 | ¥1,475 |
CPAとは「Cost Per Action」の略です。かっかった広告費を見込み客がとったアクション(コンバージョン)数で割ったもので、分かりやすく言えば「集客コスト」です。私の場合、メルマガやLINEの登録をメインのコンバージョンとしていましたが、結果としてGoogle広告からの問い合わせも獲得できました。
他の広告媒体を使えばもっとCPAは下げられたかも知れませんが、広告運用のリソースが限られているなどもあり、Googleリスティング広告に絞っていました。それでも、改善後のリスティング広告で1,500円を切るCPAを達成できたのは悪くない結果だと思います。
ちなみに私はクリック率(CTR)はあまり重視していません。その理由はこの後のセクションでも解説しますが、結果として改善後のクリック率が向上しています。
では、そのようなステップで広告を作成したのでしょうか? 次の小セクションでご紹介します。
見出し作りから始めてはいけない!
Googleリスティング広告の場合、広告文は主に「見出し」と「説明文」の2つで構成されます。(他にも細かいオプションはありますが、私が取り組んだのは見出しと説明文の改善でしたので、この2つに絞ってお話します)。
広告文の作り方を紹介している記事はネット上にたくさんありますが、大抵は見出しの解説から入ります。また、Googleの広告作成画面も上から「見出し→説明文」という順なので、「見出しから先に作るものだ」と思い込んでいるかも知れません。
私も当初はそう思い込んでいましたが、再検討した結果、以下のようなプロセスに変更しました。
- LPや見込み客を基に広告のコンセプトを決める。
- コンセプトを基に、広告の説明文を作る。
- 説明文を基に、広告の見出しを作る。
このように、私は見出し作りを一番最後に持ってきたのです。これには理由があります。
なぜ見出し作りは最後なのか?
リスティング広告を見た人の目線は、基本的には以下の動きをします。
- 見出しを見る
- 説明文を読む
- クリックしてLPを読む
- コンバージョンする
もちろん、見出しだけ見てLPに飛ぶなど例外もありますが、基本的には上記の動きをします。そこで私は、「ユーザーの動きから逆算して広告を作ると、コンバージョンしやすくなるのでは?」と考えました。
とはいえ、そもそも広告のコンセプトが検索ユーザーの心に刺さらなければ、クリックされてもコンバージョンしません。そこで、「コンセプト作成→説明文作成→見出し作成」というプロセスで広告文を作り直したところコンバージョンが増え、CPAを下げることができました。また、見出しや説明文の作成もずっとラクになるという思わぬ副産物もありました。
以下の記事ではコンセプト、説明文、見出し作り方について、実際の事例も交えながらより詳しく解説しています。また下の記事では、見出しと説明文の違い、見出しや説明文にどこまでキーワードを含めるべきかも解説しています。ぜひお読みください。
クリック率は高いほど良い?残念ながらそう単純ではありません!
現状、広告がクリックされていないのであれば、まずはクリックされるように広告文を改善していく必要があるでしょう。
一方、ある程度クリックされている状況ならどうでしょうか? ネット広告関係のブログ記事では大抵、「クリック率は高いほど良い」と書かれていますから、「もっとクリック率の上がる広告文にしないと!」と思ってしまいがちです。
ところが実際には、クリック率を高めても良いケースと、そうでもないケースがあります。ちなみにGoogle広告は「クリック課金」がメインになります。
- 「インプレッション課金」の広告は、クリック率を高めた方が良い。
- 「クリック課金」の広告は、クリック率だけを高めると採算が悪くなる。
インプレッション課金と、クリック課金とでは何がどう違うのか、次の小セクション以降で解説します。ひとまずここでは「インプレッション課金とクリック課金とでは、クリック率に対する考え方は全く異なる」という点だけ覚えてください。
「インプレッション課金」ならクリック率は高い方が良い
SNS広告に多い「インプレッション課金」の広告はクリック率が高いほど良いと言えます。なぜなら、クリック率が高いほど集客コスト(CPA)が良くなるからです。
下の表は、インプレッション課金におけるCPAの例です。インプレッション数と広告費が同じで、クリック率やコンバージョン率が変化すると、最終的なCPAはどう変化するかに注目してください。
| 広告費 | インプレッション数 | クリック率 | クリック数 | コンバージョン率 | コンバージョン数 | CPA | |
| 広告A | ¥5,000 | 10,000回 | 1% | 100 | 3% | 3件 | ¥1,667 |
| 広告B | ¥5,000 | 10,000回 | 3% | 300 | 3% | 9件 | ¥556 |
| 広告C | ¥5,000 | 10,000回 | 5% | 500 | 1% | 5件 | ¥1,000 |
広告Bのようにクリック率がそこそこ高く、コンバージョン率もそこそこあると、CPAはとても安くなります。しかし、広告Cのようにコンバージョン率が低くても、クリック率が高いとCPAの悪化を抑えることができます。
もちろん「コンバージョンが取れること」が大前提ですが、インプレッション課金の広告はクリック率を高めることでCPAを下げることができます。
「クリック課金」はクリック率が高いとCPAが悪化!?
Google広告のように「クリック課金」の広告は、クリック率が上がるとCPAが悪化する場合があります。この点がインプレッション課金とは大きく異なる点ですので、混同しないようにぜひ注意してください。
下の表はインプレッション数とクリック単価が同じ場合、クリック率やコンバージョン率が変化した場合のCPAを比較したものです。
| インプレッション数 | クリック率 | クリック数 | クリック単価 | 広告費 | コンバージョン率 | コンバージョン数 | CPA | |
| 広告A | 10,000回 | 3% | 300 | ¥50 | ¥15,000 | 3% | 9件 | ¥1,667 |
| 広告B | 10,000回 | 5% | 500 | ¥50 | ¥25,000 | 3% | 15件 | ¥1,667 |
| 広告C | 10,000回 | 15% | 1,500 | ¥50 | ¥75,000 | 1% | 15件 | ¥5,000 |
| 広告D | 10,000回 | 1% | 100 | ¥50 | ¥5,000 | 10% | 10件 | ¥500 |
広告BはAよりもクリック率は高いものの、コンバージョン率はAと同じなのでCPAは変化しません。また、広告Cはクリック率が高いものの、コンバージョン率が低いためCPAは悪化します。ところが、広告Dのクリック率は低いものの、コンバージョン率が高いのでCPAが下がっています。
上記の表は極端な例に思えるかも知れませんが、広告によってクリック率や、コンバージョン率が変わることはよくあります。
いずれにしても、Google広告のようなクリック課金の場合、広告文を工夫してクリック率が上がっても、CPAが悪化してしまう場合があります。繰り返しになりますが、インプレッション課金型の広告と混同しないように注意してください。
大事なのはクリックの率と「質」のバランス
私は、コンバージョンしやすいようなクリックを集めることを、「クリックの質を高める」と表現しています。
Google広告のようなクリック課金方式では特に、クリック率よりも「クリックの率と質とのバランス」の方が重要です。つまり、両者のバランスを考えながら広告文を作成する必要があるということです。
クリック率を上げるのは実はそう難しくない
実は、慣れてしまえばクリック率を上げることはそう難しくありません。
例えば、ネットを調べればクリック率を高めるテクニックが出てきますし、コピーライティングの本などを読めばクリック率の高い広告文のテンプレートが出てきます。こうしたものを活用すれば、クリック率を上げていくことができます。
あるいは、Chat GPTなどの生成AIに広告文を作成させるという方法もあるでしょう。生成AIは質問の仕方に工夫が必要ですが、質問のテンプレートもネットを検索すれば出てきます。
こうした「テクニック」を活用していけば、クリック率は改善できます。しかし、コンバージョンにつながるようなクリックは、テクニック頼みでは集まりません。仮説、テスト、検証、改善といったサイクルを根気強く実施していきましょう。
クリックの率と質の両方を高めるより詳細な方法を知りたい方は、ぜひ以下の記事をお読みください。この記事では、クリック率と質を上げるための具体的な方法を7つ紹介しています。
レスポンシブ広告は最適な広告文を作成してくれる??
レスポンシブ広告とは?
Googleのリスティング広告、またディスプレイ広告でも「レスポンシブ広告」が採用されています。
レスポンシブ検索広告とは、広告主が設定した複数の見出しと説明文を組み合わせ、自動で広告文を自作成してくれるシステムです。以下のようなメリットがあります。
レスポンシブ広告はGoogleのシステムが運用してくれるので、人間が運用するよりも成果が上がりそうにも思えてしまいます。
レスポンシブ広告を過信してはいけません
一見すごそうに見えるレスポンシブ広告ですが、残念ながら決して万能ではありません。
例えばリスティング広告の場合、最大で15個の見出しと、4つの説明文を設定できます。Googleも、見出し、説明文ともなるべく上限の個数まで作成することを推奨しています。
そこで私もGoogleの推奨に従い、上限まで見出しと説明文を設定しました。その結果、概ね以下のようになりました。
- 10%を超える高クリック率になった。
- 一方、コンバージョンはなかなか取れなかった。
- 結果、コンバージョン単価はあまり下がらなかった(コスパが悪かった)。
先のセクションで解説したように、Google広告はクリック率が高い方が良いとは限らず、コンバージョンとのバランスが大事になります。ところがGoogleの推奨に従った結果、クリック率だけが高い状態になってしまったのです。
レスポンシブ広告の特性を考慮して広告文を作成しよう
残念ながら、Googleのリスティング広告はレスポンシブ広告しか作成できません。そこで、レスポンシブ広告のデメリットも理解した上で見出しや説明文を用意する必要があります。例えば、レスポンシブ広告には以下のようなデメリットがあります。
また、Googleの推奨通りに15個の見出しと、4つの説明文を用意しようとすると、質の低い見出しや説明文が多くなってしまうというデメリットもあります。
そこで、私はあえてGoogleの推奨を無視するような形で広告を作成し直しました。冒頭のセクションで紹介したように、CPAが1500円を切ったのは広告文の作成プロセス見直しに加え、Googleの推奨を無視したことも貢献しています。しかも、作業量が減ったことで広告作りがとても楽になりました。作業が楽になった上、コスパも向上したのですからメリットばかりです。
以下の記事では、私がレスポンシブ広告で過信していた点や、Googleの推奨を無視しつつどのように広告を作成し、クリック数をあまり減らさずにコンバージョン単価を下げていったかを詳しく解説しています。
まとめ
- 広告文は思い付きで作成せず、コンセプト→説明文→見出しの順番に作りましょう。
- 「インプレッション課金」であれば、クリック率が高いほどコスパは良くなります。しかし、「クリック課金」ではクリック率が高いほど良いほどコストがかかります。
- Google広告は「クリック課金」ですので、単にクリック率の高い広告文ではなく、コスパも考えて、コンバージョンにつながるような広告文を作成しましょう。
- レスポンシブ広告は万能ではないので、レスポンシブ広告の特性などを考えて作成しましょう。
この記事で紹介したポイントを実践しても、直ぐに思ったような成果がでないこともあります。それでもあきらめずに、検証と改善を繰り返し、成果を上げていくように取り組みましょう。




