SNSを活用した集客は、コストを抑えながら認知拡大や集客ができる見込みがあります。特に中小企業や個人事業主にとって、無料で自社を宣伝できるのは大きな魅力です。

しかし、SNS集客には「リスク」も存在します。リスクを知った上で適切に対処することが、SNS最大限活用する上での大切なポイントになります。
そこで、本記事ではSNS集客のリスクについて以下の点を解説します。
特にSNS運用については、炎上対策に比べて後者の潜在的リスクに関する議論が後回しにされる傾向があります。そして、潜在的なリスクに対して十分な対策をしていない場合、事業継続に深刻な影響を及ぼすリスクがあります。SNSで集客を考えている方は、ぜひ本記事を最後までお読みいただき、先手を打って対策をしておきましょう。
SNS集客における主な7つのリスクと対策

SNS集客は無料で、しかも手軽に始められると考える人も少なくないでしょう。一見するとメリットにも見えますが、その表面上のメリットには大きなリスクが潜んでいます。そこで、このセクションではSNS集客における7つの主要なリスクと、対策を解説します。
①:炎上リスク
SNSで起こりがちなのは、投稿が思わぬ形で批判を受け「炎上」することです。発言の一部が切り取られて拡散されたり、過去の投稿が掘り返されたりするリスクもあります。
想定される例
対策:投稿前のチェック体制を整える
第三者の視点で投稿を確認できる体制を作りましょう。
このようなダブルチェックの仕組みを作りましょう。また、顧客対応など重要な業務がおろそかにならないよう、SNS業務の優先順位を決めておくと良いでしょう。
尚、SNSの炎上対策については、以下の記事も参照してください。

②:運用の属人化リスク
SNSアカウントの運用を特定の社員に任せきりにすると、その人が退職や休職した際に運用がストップしてしまうリスクがあります。特に、担当者以外がログイン情報を把握していないと起こりやすいケースです。
対策:マニュアルと共有体制を整備
SNS運用マニュアルを作成し、アカウントのログイン情報や投稿ルールをチームで共有しておきます。こうすることで、属人化リスクを防げます。
マニュアルやログイン情報は、Googleドキュメント、Notionなどで共有すると良いでしょう。あるいは、パスワードマネージャーで管理することもできます。
③:成果測定が難しい
フォロワー数や「いいね」の数が増えても、実際の売上につながっているかを把握しにくいことがあります。
特に注意したい点
対策:目標指標を明確にする
「認知拡大」や「問い合わせ数アップ」などSNS運用の目的を明確にし、目的に沿った目標指標を決めましょう。定期的にアクセス解析ツールを用いて効果測定を行うことも大切です。
④:アルゴリズムの変更による影響
SNSプラットフォームは、定期的にアルゴリズム(投稿の表示ロジック)を変更します。アルゴリズムが変更されると、今まで表示されていた投稿が急に見られなくなるなど、集客に大きな影響を及ぼすリスクがあります。
対策:1つのSNSに依存しない
アルゴリズムの変更は避けられませんし、どのタイミングで変更が行われ、どのような影響が出るかも全く予測できません。そこで、1つのSNSに依存せず、複数のSNSを並行活用してみましょう。
⑤:突然の規約やポリシーの変更による規制
各SNSにはトラブル防止などの目的で、利用規約やポリシーが設けられています。そして、ある日突然の規約やポシーが変更になり、それまでは全く問題なかった内容が以下のような規制を受けることがあります。
対策:規制の対象となりそうなテーマは避ける
ポリシーがいつ、どのように変更されるかは全く予測できません。しかし、過去の傾向から、規制の対象となりそうなテーマを避けることである程度対応できます。例えば、政治やジェンダー、特定の思想や信条、強い議論が起きてるテーマには触れないように注意します。
また、実際に規約やポリシーが変更されたら、過去の投稿で規制を受けそうなものを削除するか、内容を変更するなどの手を打っておくと良いでしょう。
⑥:AIの判定による予期せぬ規制
先の⑤と関連する点です。SNSには毎日、膨大な量の投稿が行われるため、投稿が規約やポリシーに違反していないかどうかはAIを使って判断しています。
AIの精度は日々高くなっているものの、AIがどう判断するかは予測できません。そのため、以下のようなリスクが潜んでいます。
対策:プラットフォームのポリシーを念頭に、適切なテーマ選択を徹底
ここでも対策は⑤と同じように、規制を受けそうなテーマは避けるしかありません。規制に触れそうなことは、ちょっと言及することさえも避けた方が良いでしょう。また、企業がSNSに投稿する場合は一貫性のあるガイドラインを策定し、極端な主張や論争を避けるなど、コンプライアンスを重視した発信が求められます。
⑦:いくら投稿しても拡散しない・フォロワーが増えない
毎日のように頑張って投稿しても拡散せず、フォロワーも全く増えないということがあります。
対策:投稿のやり方を変えてみる
SNSはアルゴリズムの理解、コンテンツ設計による戦略的な運用も不可能ではありません。しかし、戦略的に上記のことを行ったとしても必ず拡散し、フォロワーも増えるという保証はありません。そこで、色々工夫しながら投稿を続けてみましょう。

実はあまり注目されていない「SNS最大のリスク」と対策
SNS集客最大のリスクは「SNS自体がある日突然サービス自体が消滅すること」です。このリスクは一般的に取り上げられることが比較的少ないため、意外と見落とされがちです。
SNSが無くなれば、これまでの投稿やフォロワーは全て消えます。つまり、SNSに依存していると、ある日突然「集客が全くできない」状態に陥ることになります。
SNSの消滅はあり得るのか?
「SNSが消滅なんてあり得ない」、「大げさでは?」と思われるかも知れません。しかし、過去には以下のSNSが終了、あるいはユーザー数の急激な減少など流行り廃れの激しいケースもあります。
- Google+
- mixiページ(法人・店舗用のサービス)
- Yahoo!Days
- Vine
- Clubhouse

SNSが消滅する原因
現在メジャーなSNSは競争も勝ち抜き生き残っているため、そう簡単に無くならないように思えるかも知れません。しかし、将来的に終了する可能性は決してゼロではありません。
このように、SNSには様々な「突然消滅リスク」が潜んでいます。
対策:「自社メディア」を必ず持っておこう
複数のSNSを活用し、SNS消滅するリスクに備える方法もあります。しかし、可能性としてはかなり低いですが「全てのSNSが同時に使えなくなる」というリスクも想定しなければなりません。
万が一、全てのSNSが消滅するという最悪の事態が起きても困らないよう、SNS以外の「自社メディア」を必ず用意しておきましょう。

自社メディアとは?
こうしたメディアを自社で運用することを「自社メディア」と言います。
尚、オンラインの自社サイトだけでなく、カタログやダイレクトメールなどのオフライン媒体も、プラットフォームに依存しないメディアとして有効です。
自社メディア運用の注意点
例えば、無料で使えるブログサービスは、SNSと同じく「ある日突消滅」するリスクがあります。必ず独自ドメインと有料サーバーを契約し、ブログを運用しましょう(プランなどにもよりますが、ドメイン維持費と共用サーバー代を合わせ、年間約1万円〜から運用可)。尚、WordPressの利用がお勧めです。
またメルマガも「まぐまぐ」のようなメルマガスタンドだと、メールアドレスなどの読者情報は運営会社が管理しているため、サービスが終了すれば読者も失うことになります。必ず自社で読者を集め、メールアドレスも管理できるようにしておきましょう。「エキスパ」などのメルマガ配信サービスを使うと、読者を自社で管理できます。

自社メディアとSNSを組み合わせて活用しよう!
SNSと自社メディアを組み合わせることで、集客をより強化できます。そして、SNSが無くなっても売り上げに困らない状態を作れます。具体的な手法は以下の通りです。
パターン①
- SNSの投稿からブログ記事へ誘導する
- ブログ記事からメルマガに登録してもらう
- メルマガを送り続ける
- メルマガ経由で商品を買ってもらう
パターン②
- SNSの投稿からランディグページへ誘導する
- ランディグページ上で何らかの特典と引き換えにメルマガ登録してもらう
- メルマガを送り続ける
- メルマガ経由で商品を買ってもらう
パターン③
- SNSの投稿からランディグページへ誘導する
- ランディングページ上で低価格の集客商品を買ってもらう
- 購入手続きの際、メルマガ登録への同意を明確に得た上で、配信リストに登録
- 購入後もメルマガを送り続け、リピート購入を狙う
どのパターンが良いかは色々テストしないと分かりませんが、ポイントはSNSをメルマガ読者を獲得するための入り口として活用することです。
尚、①②のようなメルマガ読者をまず集める方法は、近年のGoogleやYahoo!によるメール送信ドメイン認証(SPF/DKIM/DMARC)の義務化など、配信環境の変化により到達率の維持が難しくなっています。そのため、購入と同時にリスト化できるパターン③の手法が推奨される傾向にあります
いずれにしても、自社でメルマガ読者を集めておけば、SNSが無くなってもメルマガを送り続けられることが最大のメリットです。

短期的な成果を狙うなら「SNS広告」を使うのあり
SNSにいくら投稿しても拡散しないことがあります。しかし、SNS広告を使えば、短時間で投稿を拡散できます。もちろん広告費はかかりますが、以下のようなメリットもあります。
もちろん、広告を出したからといって必ず集客できるわけではありませんが、地道な改善を続けることで「広告を出せば集客できる(メルマガ読者が増える)」状態を作り出すことも夢ではありません。

まとめ
- SNSを活用した集客には、認知拡大などのメリットがある反面、炎上や突然のアカウント停止といった予期せぬリスクが常に存在します。
- 投稿前のダブルチェック体制や運用のマニュアル化、アルゴリズム変更に備えた複数プラットフォームの活用など、事前の具体的な対策が運用の鍵となります。
- サービス自体の消滅という最大級のリスクに備え、SNSに依存せず自社で管理・保有できるブログやメルマガなどの「自社メディア」を必ず用意しておきましょう。
- SNSを認知の「入り口」として活用し、最終的に自社メディア(読者リスト)へ誘導する仕組みを構築することが、長期的な安定につながります。
SNSは、上手に使えば集客ツールとして有用です。SNSが持つ拡散力と自社メディアの安定性を賢く組み合わせることで、集客のリスクを最小限に抑えながら、着実なビジネスの成長を実現させていきましょう。

FAQ:SNS集客やそのリスクに関するよくある質問
Q1. SNS集客における最大のリスクは何ですか?
A. SNS集客における最大かつ見落とされがちなリスクは、利用しているプラットフォーム自体がある日突然終了することです。過去には国内で普及していたサービスが終了した事例もあり、SNSだけに依存していると、蓄積した投稿やフォロワーを一瞬で失い、集客経路が断たれる恐れがあります。
この事態を回避するには、独自ドメインのブログやメルマガなどの「自社メディア(他社に依存せず自社で保有・管理する媒体)」を必ず併用しましょう。SNSを認知の入り口とし、最終的に自社で管理する読者リストへ誘導する仕組みを構築することが、長期的な安定につながります。なお、サーバー契約等の詳細は各サービス会社の公式サイトで最新情報をご確認ください。
Q2. SNSの集客でリスクとなる「炎上」やアカウント停止を防ぐ対策は?
A. 投稿が批判を浴びる「炎上」のリスクを防ぐには、公開前に家族や同僚など第三者の視点を入れる「ダブルチェック(二重確認)」の体制を整えることが基本です。また、AIによる判定で予期せぬアカウント停止(規制)を受けるリスクを抑えるためには、政治、ジェンダー、特定の思想信条など、強い議論を呼びやすいテーマへの言及を避けることが有効です。SNSの規約やポリシー(利用上のルール)は予告なく変更されることがあるため、過去に問題がなかった内容でも、最新の基準では規制対象となる可能性がある点に注意してください。運用担当者は、各プラットフォームが公開している最新のガイドラインを定期的に確認し、コンプライアンスを重視した発信を心がけましょう。
Q3. SNSを活用した集客で、成果が出ないリスクを解消するには?
A. 投稿を続けても拡散されない、あるいはフォロワーが増えないといったリスクに対しては、投稿内容や時間帯の改善に加え、SNS広告の活用が効果的です。広告を利用すれば、1日数百円程度の低予算からでも、特定の地域や客層(ターゲット)に絞って情報を届けることが可能です。ただし、運用時はフォロワー数などの表面的な数値に捉われず、最終的な「問い合わせ数」といった具体的な目標指標(KPI:重要業績評価指標)を明確に定め、アクセス解析ツールで効果測定を行うことが不可欠です。なお、広告の出稿規約や料金体系は頻繁に更新されるため、実施前には必ず各媒体の広告管理画面や公式ヘルプページで最新の仕様を確認するようにしてください。

