
これは多くの中小企業や個人事業主、Web担当者によくあるランディングページの悩みです。しかし、次の問題に比べればこうした悩みは大したことではありません。それは、「ランディングページで集客するために一番大切なポイントを知らない」ということです。これを知らないために、多くの人が「デザインをどうすべきか?」という表面的な部分だけしか考えていません。実はこれが最大の問題です。
派手で凝ったデザインのランディングページは、見た目のインパクトがあっても集客につながるとは限りません。また、制作に費用や時間がかかるというデメリットもあります。一方、ある大切なポイントを外さなければ、シンプルなページでも十分集客できます。むしろ、シンプルであるゆえのメリットも少なくありません。
そこで本記事では、シンプルなランディングページについて以下の点を解説していきます。
私自身、シンプルなランディングページを作成したり実際に運用したりして、低コストで集客できたなどの実務経験があります。こうした経験に基づき、ランディングページ作りの核心部分を解説します。この記事を読めば、ランディングページを作る上で本当に大切なことが分かり、制作費や広告費をあまりかけなくても集客できるようになるでしょう。
シンプルなランディングページが良い理由
Webマーケティングのテスト事例や、マーケターの経験則から、シンプルなランディングページが成果に繋がりやすいとされる理由を解説します。結論から言うと、シンプルなランディングページは合理的であり、メリットも少なくないということです。
①:読みやすく、理解しやすい
シンプルなページは文章量や色数が少ないため、視覚的な負担が少なくなります。結果として、メッセージがストレートに伝わりやすくなります。
②:情報が多すぎず行動につながりやすい
人間は一度に多くの情報を処理できません。特にスマホで閲覧する場合、余計な要素が多いとすぐに離脱してしまいます。しかし、 必要な情報だけをシンプルに配置すれば、ユーザーは取るべき行動が分かりやすくなり、結果として集客につながります。
③:スマホでも見やすい
特にBtoC商材の場合、スマホからアクセスが多い傾向にあるというのが、Webマーケティング業界では一般的な認識となっています。もちろん、ランディングページを閲覧する端末の比率は、商材カテゴリ、流入元、年齢層、価格帯、広告媒体によっても変化します。それでも、全体の傾向として「スマホからのアクセスが増えている」ということを強く意識する必要があるでしょう。
実際、私がかつてBtoC向けに扱っていた商材のランディングページには、アクセスの85.8%がスマホからのものでした。
また、総務省の調査では、2024年における個人のインターネット利用端末は、スマートフォンが74.4%を占めているとも報告されています。ただし、この調査はあくまでも「インターネット利用端末」ですので、必ずしもランディングページへのアクセス数を裏付けるものではありません。それでも、個人利用の主な端末がPCではなく、スマホになっているという点は注目に値します。
現在多くのランディングページはPC、スマホなど様々な端末で適切に表示されるよう「レスポンシブ仕様」になっています。元がシンプルなページであれば、スマホ表示に切り替わっても崩れが少なくて見やすいため、問い合わせや登録、購入といったアクションにつながりやすくなります。

④:制作費用を抑えられる
シンプルなページであれば、自分自身で作れるので外注費用を節約できます。仮に外注するとしても、比較的少ない費用で済ませることができるでしょう。いずれにしても、制作費用をかなり抑えることができます。
⑤:制作時間が短く済む
シンプルであれば、当然制作にもあまり時間がかかりません。ですから、「こんなランディングページではどうか?」といったアイディアをすぐテストでき、結果も早く確認できます。
⑥:テストと改善のサイクルを早く回せる
どんなランディングページでも、テストと改善を繰り返すことが不可欠です。シンプルなページであれば、テストと改善のサイクルを比較的早く回せるので、より短時間で集客効果を高めることができるでしょう。

本当にシンプルなランディングページで集客できるのか?
ここまでお読みになって「シンプルなページが良いのは分かったけど、本当に集客できるの?」と思われるかも知れません。そこで、幾つかの事例をご紹介します。
事例1:FB広告(Meta広告)のインスタントページで低コスト集客
私は以前、とある会社で広告運用のスタッフをしていたことがあります。この会社ではテスト的に広告を流す際、Facebook広告(Meta広告)のインスタントフォーム作成機能を使い、以下のような簡易的なランディングページを使っていました。
- ページの先頭にキャッチコピー
- キャッチコピーの下にアイキャッチ画像が1枚
- 画像の下にはテキストとメールアドレスを登録するフォーム
たったこれだけのとてもシンプルなランディングページです。実際、作成の際はデザインなどほぼ考えず、早ければ10分程度で完成させ広告を流していました。最初は「こんなので大丈夫なの?」と思ったのですが、CPA(顧客獲得単価)を数百円台に抑えられたこともあります(CPAは商材や市場環境によって結果は変動しますので、必ずしも数百円台に抑えられるわけではないという点にご留意ください)。
事例2:「画像無し・テキストだけ」のランディングページに思わず登録
次は、私のプライベートでの経験になります。
私はランディングページにもある程度の知識はありますし、色々なランディングページを見ています。でも、そんな私の常識を覆すランディングページに遭遇しました。何と、画像が1枚もない「テキストだけ」の超シンプルなページです。
キャッチコピーと、本文のテキスト、そしてメールアドレスのフォームがあるだけ。デザインの「デ」の字も無いようなランディングページですが、私は思わずメールアドレスを登録してしまいました。
私もこれまでの経験から「ランディングページはシンプルで十分」と知っていましたが、「こんな超シンプルなページで十分集客できるんだ!」と衝撃を受けました。
事例3:Amazonのページは基本的なデザインをほぼ変えていない
Amazonの各商品ページは、ある意味でランディングページと言えるでしょう。そんなAmazonですが、以下のように基本的なデザインは長年殆ど変えていません。
- 背景は白
- 商品紹介のテキストと商品写真を配置
- 商品説明を記載
- 複雑なアニメーションは一切無し
もちろん、各ボタンのデザインや配置、アイコンなど細かい部分は改良を重ねています。しかし、基本的なデザインはずっとシンプルなままです。
もし「デザインに凝ればもっと売れる」のであれば、Amazonほどの企業ならとっくの昔にそうしているでしょう。しかし、Amazonですらシンプルなデザインを貫いています。このことは、過度な装飾よりも情報の見つけやすさ、購入のしやすさといった「機能的利便性」が成約率に直結することを示しています。

注意点:シンプルでも基本構成は同じ
シンプルであっても、ランディングページの基本構成は同じです。 「シンプルにすればよい」と必要なものを削ってしまわないように注意しましょう。
| 構成要素 | 詳細 |
|---|---|
| ①ファーストビュー | ターゲット像をしっかり定め、その人が何を得られるのかなどを明確に、また数秒で伝わるようにキャッチコピーを書きます。必要に応じてCTAを配置し、行動を促します。 |
| ②ベネフィット | 商品の機能説明ではなく「ユーザーにとってのメリット」を伝え、ユーザーがどんな未来を得られるか想像できるようにします。 |
| ③実績や信頼性 | 導入事例、利用者数、メディア掲載など、ユーザーの信頼度を高める内容を記載します。 |
| ④CTA | ランディングページの途中でも行動できるようにCTAを配置します。ページの中で繰り返し配置するか、またはページの下部に常に表示されるようにすると良いでしょう(とても短いページであれば、ここまでする必要はありません)。 |
| ⑤よくある質問(Q&A) | Q&Aは必要に応じて配置します。不安や疑問を解消し、行動を促す助けになります。 |
| ⑥フッター | 必ずプライバシーポリシーページへのリンクを記載しておきましょう。個人情報保護法への準拠、および主要な広告プラットフォームの掲載基準を満たすため、プライバシーポリシーの設置は必須です。 |
シンプルであっても改善は不可欠
シンプルなランディングページでも、一発で成果が出るとは限りません。成果を出すためには、日々の改善が不可欠です。以下は改善の一例です。

本質はこれ!ランディングページで成果を出す最重要ポイント
ここまで、シンプルなランディングページが良いとされる一般論や、シンプルなページで成果が出ている事例を紹介しました。しかし、ここまでの話はあくまでも「デザインを派手にしても成果には直結しないので、シンプルなページで十分である」ということに過ぎません。つまり、「単にシンプルにすれば良い」という単純な話でもないということです。
そこで、ここから最も大事な点を解説します。実は、ランディングページで集客するためには「ある非常に大切なポイント」があります。これを間違えると、どんなランディングページを作っても殆ど成果は出せないでしょう。
ランディングページで一番大事なのは「打ち出すコンセプト」
ランディングページで集客するために最も重要なポイントは、「ページで前面に打ち出すコンセプト」です。デザインは過度な装飾よりも、読みやすさと信頼感を与えることに注力した方が良いでしょう。
先の事例で紹介した、Facebook広告(Meta広告)のインスタントフォームや、画像も無いテキストだけのランディングページで集客できていたのは、いずれもコンセプトがしっかりしていたからです。Amazonは圧倒的な知名度が武器になっていますが、「安くて品ぞろえが豊富」、「配送が早い」といったコンセプトが知名度やブランドイメージにつながっていると考えられます。
そこで、あなたがこれから新規にランディングページを作る、あるいは既存のページを改良する場合、デザインよりもまず以下の点をしっかり考えてみましょう。
- ライバルはどんなコンセプトを打ち出しているのか?
- ライバルが埋めることができていない、市場のニーズや願望は何か?
- 自社の強みは何か?
- 自社の強みは、市場ニーズや願望と合っているか?
- 自社の強み、市場のニーズを基に、ライバルと異なるどんなコンセプトを打ち出せるか?

事例:「ドミノ・ピザ」はコンセプトで市場を制した
ランディングページの事例ではありませんが、コンセプトの大切さを示す事例をご紹介します。
宅配ピザは注文から30分以内で届くのが常識ですが、この「常識」を最初に作ったのは「ドミノ・ピザ」です。しかも、ドミノ・ピザは単に30分以内に配達するではなく、「熱々でジューシーなピザを30分以内に届ける」というコンセプトを打ち出しました。
なぜ、このコンセプトが市場に刺さったかというと、そもそも当時は宅配ピザの業者が少なかったということもありますが、宅配ピザは「届く頃にはすっかり冷めている」のが普通だったからです。そんなあまり美味しくないピザでも、顧客は我慢してお金を払わなければなりませんでした。
この顧客の不満に目を付けたドミノ・ピザは、「熱々でジューシーなピザを30分以内に届ける」というコンセプトを打ち出し、その上で「30分以内に届かなければ無料」という保証も付けました。この圧倒的なコンセプトと保証で、ドミノ・ピザは何年にもわたって市場を制することができました(当然ながらコンセプトを実現するための体制作りも行っています)。
もちろん、ドミノ・ピザのような圧倒的なコンセプトを作るのは簡単ではありません。しかし、コンセプトを作らければ、多くの競合に埋もれてしまうだけですので、ぜひトライしてみましょう。コンセプト作りに関しては、以下の記事も併せて参照してみてください。以下の記事は検索広告の作り方を解説していますが、考え方や実務的な手順の参考になるでしょう。

シンプルなランディングページを作るツール
シンプルなランディングページであれば、無料のツールで自分で作ることができます。結果として、費用を抑えることができるでしょう。以下の無料でも使えるツールをご紹介します。
①:Facebook広告(Meta広告)のインスタントフォーム
先のセクションでも触れましたが、Facebook広告(Meta広告)を使っている場合はインスタントフォーム作成機能が使えます。インスタントフォームの作成自体は無料です(広告費のみ別途発生)。
広告アカウントの設定は少し時間がかかりますが、インスタントフォームの作成自体は10分程度でも可能です。様々なパターンのフォームを短時間で作ることで、どの切り口が反応が良いかなどのテストも行えます。
②:WordPress
WordPressをランディングページの代わりに使うこともできます。レスポンシブに対応しているので、スマホユーザーの多いB to C商材にもお勧めです。
具体的な方法は2つありますが、一つは固定ページの活用です。ただし、そのままだとグローバルメニューなど不要なものが表示されてしまうのでカスタマイズが必要です。カスタマイズの情報はネット上に豊富にありますので検索して調べてみましょう。
もう一つの方法は、ランディングページが作れるプラグインの活用です。無料で使えるプラグインもあります。ただし無料プラグインは、現在もセキュリティ的に安全に保守されているかなどのチェックが必要です。
③:ノーコードLP作成ツール
ペライチ、STUDIO、Unbounceなどプログラミングが不要で、直感的に操作できるランディングページ作成ツールもあります。無料プランが用意されている場合もあるので、お試しで使ってみることもできます。
④:メルマガ配信サービスの作成機能
メルマガ配信を行うサービスの中には、簡易的なランディングページを作成できるものもあります。無料プランが用意されていることもあるので、まずはお試しで使ってみましょう。
⑤:Googleサイト
Googleサイトは、アカウントさえあれば無料でサイトを作れるサービスです。本格的な運用に向いているかは何とも言えませんが、切り口のテストなどには使えるでしょう。
Googleサイトを利用する場合は、規制対象の商品・サービスに関するページなど、Googleの規約やポリシーに反していないかの確認が必要です。また、Google広告などと連携させる場合は、同一ドメイン要件を満たしているなどのポリシーに準拠しているかを確認する必要があります。

まとめ
- シンプルな構成にすることで、読みやすさと理解しやすさが格段に向上し、ユーザーが迷わず次のアクション(登録や購入)へと進めるようになります。
- ランディグページの成果を左右する本質はデザインの派手さではなく、ターゲットの心に深く刺さる独自の「コンセプト」をランディングページでしっかりと打ち出すことです。
- シンプルなページにすることで制作コストや時間を大幅に削減でき、テストと改善のサイクルをスピーディーに回して集客効果を効率よく高めることが可能です。
- スマートフォン利用者が多い現代において、シンプルなページは視覚的な負担が少なく表示崩れも起きにくいため、ユーザーの離脱を防ぐための大きな武器となります。
ランディングページはデザインなどの表面的な要素ではなく、打ち出すコンセプトが成果を左右します。ぜひ、ターゲット層が思わず引き込まれるようなコンセプト作りに力を入れましょう。このポイントさえ間違えなければ、シンプルで費用対効果の高いランディングページを量産することができるでしょう。

FAQ:シンプルなランディングページに関するよくある質問
Q1. デザインがシンプルなランディングページでも、本当に集客や成約は取れますか?
A. はい、ターゲットの心に刺さる「コンセプト」さえ明確であれば、シンプルな構成のランディングページでも十分な成果が期待できます。実際に、画像のないテキスト主体のページや、広告プラットフォームの簡易機能で短時間で作られたページで成約できる事例もあります。また、世界最大級のECサイトであるAmazonも、基本は白背景にテキストと写真という装飾を抑えた構成を長年維持しており、派手なデザインが必ずしも売上に直結しないことを証明しています。大切なのは見た目の豪華さではなく、ユーザーが求めている情報を分かりやすく届けることです。
Q2. シンプルなランディングページを作る際、デザイン以外で最も重視すべきポイントは何ですか?
A. 成果を出すために最も重視すべきは、ページで前面に打ち出す「コンセプト(商品やサービスの核となる考え方)」です。これは、競合他社にはない自社ならではの強みを、ターゲットの悩みや願望に合わせて言語化したものです。どれほどデザインが優れていても、このコンセプトが顧客の心に響かなければ行動には繋がりません。表面的な美しさよりも、ターゲット層の不満や苦痛をどう解決するかというメッセージ作りを優先しましょう。
Q3. 専門的な知識がなくても、自分でシンプルなランディングページを作成できますか?
A. はい、プログラミングなどの専門知識がなくても、無料や低コストで活用できる制作ツールが豊富にあります。例えば、WordPressの固定ページ機能や専用のプラグインを使えば、手軽にランディングページ作成ができます。また、直感的な操作で作成できる「ノーコード(コードを書かない)」ツールのペライチやSTUDIO、Googleサイトなども有効な選択肢です。Facebook広告などを利用する場合は、管理画面内で作れる「インスタントフォーム」機能を使うことで、わずか10分程度でシンプルなランディングページを準備してテスト運用を始めることもできます。まずは自分に合ったツールで、小さく始めてみるのが成功の近道です。
Q4. スマートフォンユーザー向けには、どのようなランディングページが効果的ですか?
A. スマートフォンで閲覧するユーザーは、隙間時間に情報を探していることが多いため、視覚的な負担が少ないシンプルな構成が非常に効果的です。画面が小さいスマホでは、過度な装飾や多すぎる情報は離脱の原因になります。レスポンシブ対応(閲覧する端末の画面サイズに合わせて表示を最適化すること)が施され、要素を絞った設計であれば、表示崩れも少なくユーザーをスムーズにCTA(注文や登録などの行動を促すボタン)へ誘導できます。情報を詰め込みすぎず、ユーザーが取るべき行動を迷わせないことが、スマホユーザー向けのランディングページで成果を出す鍵となります。

