出社と同じ管理はNG!リモートワーク向け業務・勤怠管理方法6選

リモートワークをする半袖の女性

コロナ禍で、日本でも急速にリモートワークが広まりました。ところが、リモートワークに対して以下のような懸念・悩みを抱える経営者や管理職も少なくありません。

  • リモートだと生産性が落ちる
  • 部下の仕事ぶりが見えない
  • 進捗管理が難しい
  • コミュニケーションが不足しがち

そこで本記事では、リモートワークでメンバーを上手にまとめ、業務を進めていくための具体的な管理方法を6つ解説します。

私自身、ある小さな会社でリモートワーカーとして働きつつ、管理職的なポジションで働いた経験があります。こうした経験を基に、中小企業や小規模チームでもすぐに実践できる方法をご紹介します。

スポンサーリンク

リモートワークの「管理」が難しい理由

リモートワークの管理が難しい理由として、以下の点が挙げられます。

  • 社員の勤務状況が見えない
  • 進捗やタスクの把握が困難
  • 孤独感やチームの一体感の低下
  • 指示やフィードバックが伝わりにくい

つまり、出社時には当たり前にできていたことが、リモートだと簡単ではなくなります。そこで、出社勤務とリモートワークは「全くの別物」と考え方を切り替えなければなりません。

リモートを「出社と同じ」ように管理してはいけない!

リモートワークを、実際の出社と同じように考えて管理する会社は少なくありませんが、かえって問題を増やすことになります。

例:勤務中の「常時カメラON」を義務付けるとどうなる?

リモートを出社時と同じように管理する例として、勤務時間中の「常時パソコンのカメラON」があります。「社員の様子を把握できるように」とか「サボり防止」などの意図があるのでしょう。ところが「常時カメラON」は、かえってモチベーションや生産性を落とすことになります

  • 「プライバシーへの配慮がない」などの不満を感じる。
  • 「常に監視されている」と感じストレスが増える。
  • カメラが気になってむしろ集中できない。
  • ネット回線やPCに余計な負荷がかかり処理スピードが遅くなる。

これはあくまでも一例ですが、出社時と同じように管理しようとするのは逆効果であることがよく分かるでしょう。

こうした余計な問題を回避するためには、リモートワークに合わせて「仕組み」で管理し、メンバーが自主的に動けるようにしていきます。間違っても「監視」で管理しようとしてはいけません。

以下のセクション以降では、リモートワークの具体的な管理方法を解説します。

①タスク管理を導入する

リモートワークの問題の大半はタスク管理で解決できる!

私は「リモートワークで起こりがちな問題はタスク管理で概ね解決できる」と考えています。例えば、以下のような懸念・悩みの大半はタスク管理で解消できます。

  • 生産性が落ちる
  • 部下の仕事ぶりが見えない
  • 進捗管理が難しい

もちろん、タスク管理を導入したからといって、即座に問題が解決されるわけではありません。実際、タスクの洗い出しや、タスク管理そのものに慣れるまでに時間がかかるものです。しかし、そうした最初の壁さえ乗り越えられれば、恐らく「タスク管理なしにリモートワークはあり得ない!」と思えるようになるはずです。それくらい、タスク管理は重要です。

そもそも「タスク管理」って何?

タスク管理を簡単に言うと、「やること(タスク)を整理して、効率よく終わらせる方法」です。例えば、仕事では以下のようなことが起こりがちです。

  • やろうと思っていたことを忘れてしまった。
  • 締切ギリギリに焦って作業した。
  • どれから手をつければいいか分からなくなった。

こうした問題を防ぐために、やるべきことを「見える化」し、順番を決め、締め切りまでに終わらせる仕組みとして「タスク管理」を活用します。チームでタスクを管理する場合は、タスクごとに担当者も決めておきます。

尚、タスク管理に関する詳細は、以下の記事も参照してください。

タスク管理をしないとどうなる?

顔を合わせて仕事の進捗を確認することが難しいリモートでは、タスク管理をしないと様々な問題が起こりやすくなります。社内の混乱だけでなく、納期の遅延などで顧客からの信用を失うことにもなるでしょう。

責任の曖昧さ、情報の行き違いの発生

  • その仕事の担当が誰なのか分からない。
  • 特定の仕事が進んでるのか、止まってるのか分からない。
  • 特定の仕事が終わってないことに誰も気付かない。

プロジェクトの遅延や品質低下につながる

  • チームの進捗が分からず全体を把握できない。
  • 特定のメンバーに仕事が集中し燃え尽きる。
  • 逆に暇を持て余すメンバーも出てくる。

余計なコミュニケーションによるストレスや疲労感

  • 「今どこまで進んでる?」「これ誰かやってる?」など無駄なやりとりが増える。
  • チャットやメールの返信がないと不安になる(不信感の増大)。
  • 小さな確認のためにオンライン会議が多発。
  • 本来の業務がなかなか進められず、ストレス、時間外労働による疲労が増大。

評価があいまい・不公平になる

  • 個人の成果が記録されず、評価も感覚的になる。
  • 誰がサボってるのか把握しにくい。
  • 本当に頑張ってる人が正当に評価されない。
  • 結果として会社への不信感増大、やる気低下につながる。

病欠や退職時の引き続ぎができない

  • 誰が、どんなタスクを抱えていたかを把握できていない。
  • その人が病欠や退職した際に、何を引き継いだらよいか分からない。
  • 結果として、属人的な業務から抜け出せない。

タスク管理ツールで「業務の見える化」を進めよう

タスク管理はオンラインで共有・管理できるツールを活用し、以下を明確にしていきましょう。尚、ツールの中には無料で使い始められるものも少なくありません。

  • 誰が、何を、いつまでに行うか
  • 現在の進捗状況
  • 優先順位や依存関係

チームでタスクを共有するのには、まず「Todoist」のようなシンプルなタスク管理ツールから始めてみましょう。

また、タスク管理に慣れてきたら「着手中」「保留」などのステータス分けもできるツール(Trello、Backlog、Notionなど)に切り替えても良いでしょう。

※Todoistにステータス分け機能はありませんが、ラベルでのステータス管理や、タスク名・説明欄にステータスを見やすく記載するなどで対応することもできます。

②毎日の「オンライン朝礼」や日報で勤怠確認

ひと口に「リモートワーク」といっても、細かい勤務形態は会社によって様々です。そこで、勤務形態に合わせてオンライン朝礼をしたり、日報を作成させたりして勤怠を確認しつつ、「仕事モード」への切り替えを促します

勤務時間が固定の場合は「オンライン朝礼」を行う

リモートワークでも勤務時間が固定されているとか、オフィスと並行して業務を進める場合は、朝の15分程度を使ってオンライン朝礼を行いましょう。ツールとしては、ZoomやGoogle Meetを使うと良いでしょう。

  • 今日の予定やタスクの共有
  • その他の共有事項の発表

毎朝のオンライン朝礼には以下のメリットがあります。

  • メンバーのモチベーション維持
  • 一日のスタートを揃えることで仕事モードへ切り替えやすい

勤務時間が固定されていない場合は「日報の作成」を義務付ける

海外在住者の人がリモート勤務しているなどで、リモートワークの勤務時間を固定化していない会社もあります。そのような会社では、毎日の勤務開始時に日報の作成を義務付けると良いでしょう。加えて、勤務終了時にその日の振り返りを記入させる会社もあります。

  • 今日の体調
  • その日の予定勤務時間
  • 当日の予定やタスク
  • 今日の予定やタスクの達成度、改善点、反省点など

日報の作成には以下のようなメリットがあります。

  • 業務の可視化
  • 業務の振り返りと自己管理
  • トラブルや課題の早期発見

尚、会社によってはサボり防止のため、終了時の日報を細かく記載させる(今日の天気はどうだったかなども含め)という例もあります。必ずしもここまでやる必要はありませんが、日報はサボり防止にも一定の効果があることが分かります。

いずれにしても日報に些細な問題でも書くように促せば、日報を通じて近況や課題を把握しやすくなります

リモートでは雑談やちょっとした会話が減るため、日報でコミュニケーションを補完することができます。また、社員を評価する際の資料としても活用できます

③成果ベースの評価に切り替える

出社勤務では「働いている姿」で評価されがちですが、リモートでは働いている姿を見ることはできません。そこで、成果やアウトプットを基準に評価します。例えば、以下の点を基準に評価します。

  • 記事数、レポート数、対応件数などの数値目標
  • プロジェクトの達成度や品質
  • タスクの締め切りを守っているか

注意点

数値でけで評価するのは逆効果になることがあります。質的な貢献、チームへの貢献など数値以外の部分もしっかり評価に加えるようにしましょう。

④定期的な「1on1ミーティング」の実施

「1on1ミーティング」とは、上司と部下が1対1で行う面談のことです。企業や組織でよく使われるマネジメント手法の一つで、特に部下の成長支援や信頼関係の構築を目的とします。

1on1ミーティングは定期的に、理想としては週に1回行うと良いでしょう。1回のミーティングの時間は、15〜30分が目安です。

1on1ミーティングの主な目的

  • 部下の状況把握(業務の進捗・悩み・体調・メンタルなど)
  • キャリア支援や成長支援
  • モチベーション向上
  • 信頼関係の構築
  • 問題の早期発見

スケジュールの設定方法など

1on1のスケジュールは、Googleカレンダーの定期予約を使うことができます。実際の面談は、Meetを使っても良いですし、Zoomでも構いません。尚、MeetならGoogleカレンダーとの連携が簡単です。

⑤業務内容やルールをマニュアル化する

日本では、以下のような点から業務のマニュアル化を敬遠する傾向があります。

  • 「仕事は見て覚える」という考え方が強い。
  • マニュアルに書いてあることしかしない(自分の頭で考えない)ことを懸念。
  • 業務が属人化しておりマニュアルに落とし込みにくい。
  • そもそもマニュアルを作る余裕がない。

しかし、リモートでは対面で会話する機会が少ないため、「仕事は見て覚えろ」はリモートでは無理です。また、いちいち先輩や上司に「これどうやれば良いのですか?」と聞かないと業務が進められない状態は非効率的です。ですから、リモートワークでは特にマニュアル化が必須です。

業務マニュアルを作成するメリット

リモートワークで業務マニュアルを活用すると、以下のようなメリットがあります。

  • 対面での口頭説明ができなくても、マニュアルがあれば正確な情報を共有できる。
  • 「言った・言わない」によるトラブルを減らせる。
  • マニュアルを見れば自分で判断・対応できるので、上司や同僚に頻繁に質問する必要がない。
  • 場所に関係なく、一定の業務手順・品質を維持できる。
  • 研修や業務引き継ぎがスムーズに行える。
  • 想定されるトラブルや対応フローがマニュアルにまとまっていれば、すぐに対処できる。
  • 勤務時間が異なるメンバー間でも、マニュアルで共通のやり方を維持できる。
  • マニュアルにノウハウが蓄積されることで、会社とっても貴重な資産となる。

上記の内容をよく見ると、リモートワークの有無に関係なく、マニュアル作成は結果として時間の節約や生産性向上につながるなど会社全体のメリットにつながることが分かります。

ちょっとしたルールもマニュアル化する

業務そのものだけでなく、業務に関係する「ちょっとしたこと」とも思えるルールもマニュアル化し、文章として残しておくとトラブルを防ぐことができます。

以下はマニュアル化しておくと良いルールの例です。

  • 緊急時の連絡方法(責任者の電話番号、災害時の連絡方法の取り決めなど)
  • ファイル名や保存先の統一ルール
  • ストレージなどの管理者や、権限付与のルール
  • 情報漏洩防止、パスワード管理などセキュリティ上のルール

⑥種類・目的ごとにコミュニケーションのチャネルを分ける

リモートワークを導入すると、チャットなどテキストでのコミュニケーションが増えます。

例えば、チャットのチャンネルを分けず、一つのチャンネルで経理、営業、総務のやり取りを全て行うと色々な話題が混ざって訳が分からなくなります。また、次々と新しいメッセージが来てしまい、大事なメッセージを見逃しかねません。

そこで、種類や目的ごとにコミュニケーション手段やチャンネルを分けておくと、混乱や見逃しを減らすことができます。以下はチャンネル分けの例です。

  • 会社全体に関係する連絡:Slack、Chatworkなどのツールで、「経理」、「総務」、「社内一斉通知」などのチャンネルに分ける。
  • 業務ごとの個別連絡:Notion、あるいはタスク管理ツールのコメント機能を使い、プロジェクトやタスクごとにやり取りする。

尚、社内連絡でメールは使わないようにしましょう。メールは社外とのやり取りに使います。

まとめ

  • 出社勤務と同じ感覚で管理しようとするのではなく、リモートワークに合わせた管理手法を導入しましょう。
  • タスク管理を徹底することで、リモートにおける問題の大半を解決できます。
  • 毎朝のオンライン朝礼、または日報の作成で勤怠の確認をしつつ、仕事モードへの切り替えを促しましょう。
  • 「働いている姿」ではなく、成果を中心とした評価に切り替えましょう
  • 定期的な「1on1ミーティング」で、上司と部下とのコミュニケーションや信頼関係を構築していきます。
  • 業務のマニュアル化で、会話なしでも業務を効率的に進められます
  • 業務の種類や目的ごとに、チャットのチャンネル分けを行いコミュニケーションをとることで、混乱やメッセージの見逃しを予防できます。

例え業務は同じでも、リモートと出社は全くの別物と考えないと問題を増やすことになります。特に、「監視」ではなく、「仕組みで管理する」という視点が欠かせません。仕組みで管理することが、結果として信頼関係の向上につながり、メンバーの自主性を促すことにもなります。

もちろん、この記事で紹介した手法を一気に導入するのは無理ですが、小さなことから始めて、少しずつ最適な管理方法を作っていきましょう。

タイトルとURLをコピーしました